<ターミネーターが現実になる日?>AIの存在は福音をもたらすのか? それは、人類次第
生成AIにとって不可欠なGPU(Graphics Processing Unit=画像処理装置)の設計で世界市場80%のシェアを占めるとされるエヌビディアの株式時価総額が一時、マイクロソフト、アップルを抜いた。検索も「グーグル」ではなく、オープンAIの「チャットGPT」で行う人も増えてきている。 【写真】日本でも発売になったアップルの「Vision Pro」 日本でも日々のニュースなどで、AIという言葉を聞かない日はないくらいだが、一体何がすごいのか、ピンと来ない人も少なくないだろう。小誌記者もその一人である。 そんなモヤモヤした気持ちの時、いつも「未来の扉」を開いてくれるのが、サンフランシスコに拠点を置く、ベンチャーキャピタル・スクラムベンチャーズの宮田拓弥氏だ。 宮田氏にはかつて、個人がタクシー配車サービスを行う「Uber(ウーバー)」が実装された社会の利便性について解説してもらったことがある(『自動運転開発「Uberが独走、Googleには試練」のワケ』)。今回の米国取材でも、取材班はウーバーを何度も利用した。どこの町でも、どんな時間でも、スマホで呼べば必ず来てくれる。 そして、今回は無人の自動運転タクシー「Waymo(ウェイモ)」にも乗車した(『<サンフランシスコでの乗車体験記>透明人間が運転?「Waymo」に乗って分かったこと』)。「百聞は一見に如かず」とはまさにこのことで、乗り心地の良さや狭い路地での見事なハンドル捌きに取材班一同、驚愕した。テクノロジーを積極的に有効活用しようとする米国、「法律の壁」などがネックになり、なかなか議論が前に進まない日本の差はさらに広がっている。 では、日々進化するAIの存在は、人類の未来をどう変えていくのだろうか。宮田氏に聞いた。
また人間に近づいた「GPT-4o」の衝撃度
ちょうど昨日(5月13日)、オープンAIが「GPT-4o」を発表しました。「o」は「Omni(オムニ:全て)」を意味しています。 つまり、これまでの文字ベースでのやりとりだけではなく、音声や画像ベースでもコミュニケーションのインプットとアウトプットができるというものです。 デモ動画を見て、まず驚かされたのは、その感情表現が人間と遜色ないことです。 グーグルは見た目も反応も完全にコンピューターです。一方、日本の漫画・アニメの主人公『ドラえもん』は、見た目はロボットですが、「人間らしい」性質を持ったロボットです。それに対して、GPT-4oはまるで生身の人間と話しているような感覚であり、人類は『ドラえもん』のようなロボットの誕生に、また一歩近づいたように思います。 歴史をさかのぼると、2007年にスティーブ・ジョブズが「iPhone」を発表して以降、スマートフォンの存在によって、消費の仕方や仕事の進め方など、われわれの生活は大きく変わりました。