LAST ALLIANCE 11年ぶりに音源を発表「リリースまで長かったけど、やっぱりいいでしょ?と言える出来栄えになった」
――HIROSHIさんはこの11年間にどんなことを考えてました? HIROSHI 今言ったことと同じことは思ってたよ。ラスアラが10年、20年経っても老化、劣化はないなと。乗っかったような発言になっちゃったけど、俺もずっとそう思っていたから。 MATSUMURA 結局、持っているセンスは10年、20年経っても変わらないんですよ。全力で振り切っているバンドに対して負い目まではないけど、それはそれで凄いなというリスペクトはあるし、俺らもそれはやってきたから。そこから一度離脱して、違うものを人生のプライオリティ1位にして、(バンドを)2位にしたからといって、俺らが1位のときにやっていたものを作れないとは思わない。ただ、10年前と同じものは絶対にやりたくないなと。音質、メロディ、アレンジ、パフォーマンスを含めて、10年前を超えてやろうと。結局、俺らはメロコア・バンドで、極論を言えばハードコアなトラックにアコギ一本でも成り立ついいメロディを乗せる……メロディ至上主義に変わりはないんですよ。 ――ラスアラの音楽性の核は変わらず? MATSUMURA そうですね。サブスクで流行っている音楽でもちんぷんかんぷんなものもあるし、10年後もその曲を聴くのかなと思っちゃうから。でも俺らは普遍的にいいメロディを追い求めているし、今日のライヴ(『焼肉ロックフェス』)で18年前に出した「KONOYUBITOMARE」もお客さんに刺さっていたから。今回の新曲についても10年、20年後にプレイしても、俺は刺さると信じてますからね。その根底には普遍的なメロディがあるから。ただ、10年前よりもサウンド、アレンジ面に関しては各々の人生の経験値を踏まえて・・・酸いも甘いも知った者という部分が歌詞、音色、メロディ、プレイにも乗ってくるから。ほかの誰々じゃなく、10年前の俺たちを超えていきたいという目標はありました。それは俺もANZAIもHIROSHIも絶対にあったと思う。 ――自分たちのバンドに対する自信というか、ブランド力に関しては揺るぎない気持ちがあったと。 HIROSHI そう! ブランド力だよね。それは懐メロにならないんだよ。 MATSUMURA 10年前はメンバーそれぞれ個性が強いから、壁にぶち当たってまとまらないことが多かったけど。今回はみんな大人になっているし、お互いにリスペクトがあるから、「お前が言うなら、そうしよう!」と。だから、作業はスムーズに進みました。 ――メンバー内の関係性も10年前と変化しました? MATSUMURA 全然違うと思う。細部にこだわりはあるけど、それは細部であってさ。肉は削られてもいいけど、骨だけが残ればいいみたいな。そして、肉の部分は思い入れが強い奴に譲る。ただし、骨の部分はもちろん話し合いは必要ですけどね。 ――ラスアラも大人になったんですね。 MATSUMURA おじさんですよ(笑)。でも作業は楽しかったですよ。 ――改めてラスアラが持つ普遍的なメロディの良さは、他のバンドに負けない圧倒的なオリジナリティがあります。実際の曲作りはどういう風に進めたんですか? ANZAI 「盲目のストレンジャー」が取っ掛かりで、それはまっちゃん(MATSUMURA)から送られてきたんですよ。昔、違う形で出そうと思っていたけど、「この曲、ANZAI歌って!」と軽いノリで言われたんですよ。オケがあったから、歌入れしたのが去年だったかな? 僕だけレコーディングして、歌を歌いたかったからワクワクしてたんですよ。その1曲目がきっかけかな。 ――「盲目のストレンジャー」はいつ頃にあった曲なんですか? MATSUMURA ラスアラの休止後かな。 ――『Seventh Sense』発表後ですね。 MATSUMURA ラスアラ用とも定めてなくて、バンドがストップしちゃうんだという悲しさもありつつ、悶々とした中でKEITAと一緒に仕上げました。ずっと温めていた曲ですね。 ――このタイミングで出そうと思った理由は? MATSUMURA ここしかないだろうと。いい曲だし、一番遠くに届けるタイミングを狙っていただけです。それはラスアラしかないから、ANZAIに歌をお願いしようと。