「年金330万円・退職金3,000万円」なのに安泰老後を取り上げられた65歳元常務…家を失い、共同トイレ・風呂なしボロアパートで暮らし始めたワケ。発端は「大人しい妻の陰謀」【FPの助言】
好きなことを続けるために選択したこと
Aさんは、思い描いていた老後とかけ離れた結果となり、落ち込みます。いままでと同じように浪費すると、老後破産になりかねません。そこでAさんが取った行動は……。 現役時代のAさんは接待が多く、家は寝るためだけの場所でした。家族で暮らしたもとの家も、当時の見栄と妻の希望だけで決めた場所です。家にお金をかけることはしないように、古いボロボロの共同トイレ・風呂なしアパートで暮らし始めます。 Aさんは、人生100年時代とはいうものの、両親も早くに亡くなったから、自分は長生きしないだろう。その分、いままでと同じようにとまではいかないものの、外で好きなこと、ゴルフや飲み会を続けたいと選択したのです。Aさんのように、元気なうちに好きなことを好きなだけやっておきたいと考える人もいます。しかしながら、先にお金が尽きてしまったら、どうするのでしょう。 現役時代と同じ考えで散財すると老後破産につながる人がいます。Aさんのように安易に考えていると、元気なうちに老後破産する可能性が高いです。失ったものが大きいAさんにとって、老後も好きなことを続けたいという気持ちもわかりますが、そのためにも一度専門家に相談してみることをお勧めしたいです。 〈参考〉 ※1 内閣府男女共同参画局「令和4年版 男女共同参画白書 夫婦関係が破綻した原因」 https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-51.html ※2 厚生労働省「令和4年度 離婚に関する統計の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon22/dl/gaikyo.pdf 三藤 桂子 社会保険労務士法人エニシアFP 代表
三藤 桂子