勤務先が「健康保険」と「厚生年金」に加入させてくれません。これは違法じゃないのですか?
勤務先で健康保険と厚生年金、いわゆる社会保険に加入するのは当たり前。そう思っている方は少なくないでしょう。しかし、中には勤務先において健康保険や厚生年金に加入できないまま働いている方もいらっしゃいます。 そこで、健康保険や厚生年金に加入しないまま働くことが違法であるかどうか考えていきます。
会社に勤めている場合は強制加入
もし、勤務先が株式会社などいわゆる法人である場合、会社員の方は必ず会社の健康保険と厚生年金に加入します。この点について、勤務先となる会社や働いている従業員本人の意思は関係なく強制となります。 なぜなら、法人の事業所は法律によって強制適用事業所とされており、パート従業員で時短勤務であるなどの例外を除き、必ず従業員は加入するとされているからです。 社会保険の加入において雇用形態は関係ありません。正社員はもちろん、パート・アルバイトであっても、1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が通常の就労者の4分の3以上あり、かつ次の要件をすべて満たす方も社会保険の被保険者となります。 ア)週の所定労働時間が20時間以上 イ)賃金が月額8.8万円以上 ウ)雇用期間が2ヶ月以上見込まれること エ)学生(夜間部、勤労学生を除く)ではないこと オ)被保険者数が101人以上の企業または100人以下の企業であっても短時間労働者の保険適用を労使で合意(同意対象者の過半数で組織する労働組合がある場合は当該労働組合の同意、労働組合がない場合は同意対象者の過半数代表者の同意もしくは同意対象者の2分の1以上の同意)した企業に勤務すること なお、2024年10月からは被保険者数の要件は51人以上になります。 つまり、勤務先が株式会社や合同会社であるにもかかわらず、自身が社会保険の被保険者となる資格を有しながら健康保険や厚生年金に加入できないという場合、それは会社が違法な扱いをしているということになります。問題があると感じたら労働基準監督署などへご相談ください。