創業55年・地元に愛され続けた尼崎の老舗ケーキ店 年明けに閉店へ…順調だったのに廃業のワケは「後継者がいない」惜しまれながら店主が抱く最後の日への思い
専門家「後継者不在の企業が127万社…国難ぐらい深刻」
今、このケーキ店のように小規模ながら地元に愛されてきた店が「後継者の不在」が理由で廃業するケースが相次いでいるといいます。 日本の中小企業などに詳しい専門家に聞くと次のように話しています。 (日本M&Aセンター・谷川佑介西日本支社長) 「バブル前とか、その辺りの(創業の)企業様は、オーナー社長様が、もう70代を超えられているっていう現状。(日本の中小企業が)約360万社ある中で、後継者不在の企業様が127万社ある。『国難』と言われるぐらい深刻でございまして」 日本M&Aセンターによると、職業の多様化や、事業の先行きが不透明な中、家族が「家業を継ぐ」ということが当たり前ではなくなっているといいます。
「いいものを作り、最後までお客さんに喜んでもらえたら」
年明けの5日に最終営業を迎える、濱田智行さん。閉店の日まではいいものを作り続け、客に喜んでほしいと話します。 (濱田さん) 「いやもう、これだけだったんで、『これが全て』というか、ケーキしか知らないんで、これに支えられて、ケーキに支えられてお客さんに支えられたなっていうそういう思いでいっぱいですね」「いいものだけ作ろう。それだけですね。それはずっと思っています。もう最後だから何かやったら、こうせなあかんとかじゃなくて、もう今まで通り、ちゃんとしたものだけ作って、最後までお客さんに喜んでもらえたらなって思っています」