アンパンマンの生みの親、やなせたかしさんの原点…緑豊かな高知で優しさに包まれる旅
NHKが令和7年度前期に放送予定の連続テレビ小説「あんぱん」は、「アンパンマン」シリーズで知られる絵本作家のやなせたかしさん(1919~2013年)と妻の暢(のぶ)さん(1918~93年)がモデルのドラマだ。10月下旬、やなせさんが幼いころを過ごした高知県のゆかりの地へ。やなせさんの優しい心に終始包まれた気分の旅だった。 【写真】やなせたかしさんと妻の暢さんが眠る「やなせたかし朴ノ木公園」 初日、JR岡山駅から乗り込んだのは、本州と四国を結ぶ特急「南風(なんぷう)」として運転される「土讃線アンパンマン列車」。子供たちに人気のアンパンマンや仲間たちが数多く描かれ、岡山-高知駅間を1日5往復している。 アンパンマンと一緒に旅している気分に浸りながら、約2時間で南国(なんこく)市駅前町にある後免(ごめん)駅に到着。駅近くにある後免町商店街の「やなせたかしロード」を歩いた。 約400メートルの道沿いにアンパンマン、ジャムおじさんなどのかわいらしい石像が7体、あちこちに置かれている。印象的なのは、ばいきんまんがライバル、アンパンマンと並んで立っていること。「本当の悪人(=敵)はいない」というアンパンマンの世界観を表しているのだろう。 ■緑や石像に囲まれ 翌日は香美(かみ)市香北町の「やなせたかし朴ノ木(ほおのき)公園」へ向かった。緑豊かな環境に囲まれた、やなせさんと妻の暢さんが眠る墓地公園で、やなせさんの生家跡にある。 「一本の朴ノ木にぼくはなりたい 季節には はにかみがちに 風の中でゆれていたい」 やなせさんの言葉が刻まれた石碑を挟んで、アンパンマンとばいきんまんの石像がある。仲間の石像にも取り囲まれ、優しく楽しげな雰囲気が印象的だった。 公園から南西へ車で5分ほど行くと、「香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム」がある。やなせさんの生前に建てられた美術館で、子供連れでいっぱいだった。 4階の「やなせたかしギャラリー」には、やなせさんの描きおろしや、アンパンマンの絵本の原画がズラリ展示されている。大型の作品も多く、迫力に圧倒される。ミュージアムは11月5日から来年3月28日まで改修工事のため休館中。再オープンが待ち遠しい。 ■フィギュアに挑戦