修学旅行は何のためにあるの? 思い出づくり!? 起源は“軍事訓練のための遠足”だったが、今は…
◆目的は軍事訓練のため? 明治時代からあった修学旅行
最近は修学旅行の多様化が進み、行き先やそこでの体験内容も学校によってさまざまです。ところで、そもそもなぜ修学旅行があるのでしょうか。 【修学旅行の見学先TOP20】高校ではUSJが1位。東京ディズニーリゾートは? 日本修学旅行協会によると、その歴史は意外に古くなんと明治時代にまでさかのぼるのだそうです。始まりとされるのは、1886(明治19)年、現在の筑波大学の前身である東京師範学校の「長途遠足(ちょうとえんそく)」。行き先は千葉で、移動手段はなんと徒歩でした。 当時の日本は富国強兵の時代だったため、生徒たちが軍隊に倣って遠距離を行進するために行われました。またその行程で文化財や遺跡の見学といった実地での学術研究も行っており、“学び”の要素も取り入れていたようです。 この長途遠足は11泊12日。同協会が発刊している『教育旅行年報データブック2023』によると、修学旅行の平均日数は、中学校は3.1日(2泊3日)、高校は4.0日(3泊4日)のため、今と比較してもかなり長いものでした。 報告書には「1日約28kmの行程は生徒の疲労が大きかったので、今後は20km程度に短縮するべき」と書かれており、過酷な様子がうかがえます。
◆修学旅行は授業の一環「特別活動」という位置付けへ
現在の修学旅行は、学校の主な教育活動の基準になる「学習指導要領」の中で「特別活動」として定められています。 「国語や社会など一般的な授業と同じ位置づけです。学習指導要領は10年おきくらいで変わるのですが、特別活動についてはあまり変わっていません」と日本修学旅行協会の竹内秀一さん。 小学校だと「遠足・集団宿泊的行事」、中学・高校は「旅行・集団宿泊的行事」とされており、次のように定義されています。 『「(自然の中での集団宿泊活動などの)平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすること」 (※冒頭カッコ内の記述は小学校のみ)』 「学校はこの方針にもとづいて修学旅行を計画します。学びが一番にありますが、同時に、仲間づくりや思い出づくりも大切な要素です」(竹内さん)