品川エリア15年ぶりの超高層マンション「リビオタワー品川」の実力を考える
■価格の妥当性は? 内覧会では、第1期販売予定価格も一部紹介された。例えば、4階 3LDK+WIC+N(73.5㎡)/北東向き・角住戸のスタンダードグレードで1億4,000万円台。13階 3LDK+N(75.10㎡)/南東向き・角住戸のスタンダードグレードでは1億8,000万円台。スーペリアグレードの29階 3LDK+WIC+P+SIC(89.89㎡)/東向きで2億3,000万円台で、最高額は未定としていた。
現状、周辺エリアで通常仕様・ファミリータイプの新築物件(70㎡程度)であれば、1億5,000万円台がベンチマークとなりつつあるので、価格としては妥当だろう。 晴海フラッグをはじめとした直近の傾向を見ると、プレミアム価格を払ってでも、景色が良く広い住戸に住みたい層は一定数いる。スタンダードグレードとスーペリアグレードで差はあるものの、平米単価の差はそこまで大きくないので、スーペリアグレードの住戸も動きやすいのではないかと思う。
ただし、品川駅とともに最寄りとなる高輪ゲートウェイ駅から浄水場側の最短ルートが設定されることは、物件の価格・賃料維持のための必須要件であるので、駅南側の開発の進捗は丁寧に見ていく必要がある。 ■今後の新築レジデンスプロジェクトの方向性を左右する試金石に 日鉄興和不動産によれば、2024年2月22日より始まったエントリーは港区・中央区・品川区からが4割、30代が半数程度で、約8割が自己居住用としての購入を検討しているという。共有部分が充実しており、継続的に価値をキープしうる今回の物件は、自己居住用として一定の期待ができると思う。 建築費・土地価格が上昇する中、「リビオタワー品川」の仕様がどれだけ顧客に刺さるかにより、今後の新築レジデンスプロジェクトの方向性が決まるといっても過言ではない。
港南・田町寄りエリアは開発が停滞していた"これから"の街。開発が完了する前の段階でどれだけ物件価格を上げられるのか、周辺エリアの既存・新築物件の価格・賃料のベンチマークたりうるフラッグシップマンションとして、今後の展開に注目したい。 『リビオタワー品川』物件概要 所在地 :東京都港区港南三丁目 7番2(地番) 交通 :JR山手線・JR京浜東北線(根岸線)・JR東海道本線・JR横須賀線・JR上野東京ライン・JR東海道新幹線「品川」駅港南口徒歩13分、京急本線「品川」駅高輪口徒歩17分 総戸数 :815戸(他に店舗1区画) 敷地面積 :6,821.38平方メートル 延床面積 :76,130.35平方メートル 構造・規模 :鉄筋コンクリート造・地上 34 階建 間取り :1LDK~3LDK 専有面積 :42.10平方メートル ~130.24平方メートル 建築確認番号:第UHEC建確R040650号(令和5年1月30日付) 土地の権利 :所有権 事業主 :日鉄興和不動産株式会社、関電不動産開発株式会社、九州旅客鉄道株式会社、京浜急行電鉄株式会社、中央日本土地建物株式会社 設計者 :浅井謙建築研究所株式会社、株式会社長谷工コーポレーション 施工者 :株式会社長谷工コーポレーション 管理会社 :株式会社日鉄コミュニティ 販売代理 :株式会社長谷工アーベスト、伊藤忠ハウジング株式会社、日鉄興和不動産株式会社 竣工予定 :2026年05月上旬(予定) 引渡可能年月:2026年10月上旬(予定) 販売開始時期:2025年03月上旬(予定) ■渕ノ上弘和(ふちのうえ・ひろかず)/不動産ナビゲーター 2000年に立教大学法学部法学科卒業後、コンサルタントとしてECサイト運営会社を起業すると同時に不動産コンサルタントとしても業務を開始。区分所有建物の資産価値マネジメントに従事するため、2008年より住友不動産建物サービス株式会社、2013年より株式会社東急コミュニティーにて区分所有建物の共用部分・専有部分のマネジメントに従事した後、不動産の資産性を流通の側面から評価するために、2018年にコンドミニアム・アセットマネジメント株式会社の設立代表に就任。2022年2月より株式会社MFS不動産投資事業部執行役員として不動産投資総合プラットフォームサービス・INVASEの事業責任者に就任。
渕ノ上弘和