なぜ阪神は最大「16」あった借金の歴史的返済に成功したのか?
また1番には中野を起用し、2番には島田、ここ数試合は、北條、山本らを流動的に入れているが、島田や山本がスタメン起用されることで打席数を重ねてこなれてきた。1軍半から1軍のレギュラーのレベルに徐々に成長してきたと言っていい。 ただ問題は、6番の糸原から、固定のできていない7番、8番と続く下位打線。糸原は、5月に打率.297、6月に.293と上げてきたが、得点圏打率は、平均.250、打率もトータルで.249では物足りない。ロハスジュニア、山本、陽川など入れ替わりの激しい7番打者の平均打率は.231で得点圏打率は.175と低く、打点は21、7本塁打と意外性の怖さもない。この2試合は、左腕が続いたことで新外国人のロドリゲスを先発起用しているが、この日は、浜口にチェンジアップで翻弄され2打席連続三振とセカンドゴロに終わり早くも不安を露呈した。 この日8番を打った梅野の打率.198、2本塁打の数字も寂しい。 8月は、さすがに自慢の投手陣にも夏の暑さや疲労がのしかかってくるだろう。打線がどこまで奮起して大健闘の投手陣をカバーできるかが、広島、横浜DeNA、巨人との2位争いの混戦から抜け出して11ゲーム差のある首位ヤクルトに迫るためのポイントとなる。 矢野監督が言う。 「首位のヤクルトとの差を考えるというより僕たちの戦いをどれだけできるか。ドラマを信じた中でそれを貫けるか。そこが1番大事。全員でドラマを起こしたいと思います」 勝率5割復帰はスタート地点に戻ったに過ぎない。残り49試合でドラマを起こすことができるのか。オールスターブレークを経て29日から再開する後半戦は、甲子園での首位ヤクルトとの3連戦から始まる。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)