セ4球団が0.5差大混戦も全チーム借金にCS見直し論も
セ・リーグのクライマックスシリーズ出場権を競うAクラス争いが激しくなってきた。2位の巨人が15日、延長の末4位の広島に3-6で敗れて3連敗。同じく4位の阪神は中日に2-1で逆転勝利を収めて3連勝で、広島と同率3位に浮上して巨人に0.5差と迫った。ヤクルト戦が雨天中止となった横浜DeNAも、阪神、広島とはゲーム差なしの5位。2位から5位までが0.5ゲーム内でひしめく大混戦である。だが、一方で、首位のヤクルト以外は全チームが借金を抱えているという異常事態。“球界大御所“で巨人OBの広岡達朗氏や、SNSやネットでは、CS見直し論が浮上している。
巨人は延長11回に広島磯村の満塁弾で敗れる
ヤクルトの独走で優勝争いの灯が消えかけているセ・リーグでCS出場権を巡る2位以下の争いが大混戦となっている。2位の巨人を3位タイの阪神、広島が0.5差で追い、4位の横浜DeNAと3位までのゲーム差は0。1日ごとの勝ち負けで順位が入れ替わる戦国状態だ。 過去に最大13ゲーム差を逆転したことのある巨人は、メイクドラマの再現をあきらめていないが、この日は、広島に延長戦の末、力尽きた。2-2のまま9回に“守護神”大勢をつぎ込んでいた巨人は、10回に赤星、11回に菊地を投入したが、二死満塁から、途中出場のプロ12年目の伏兵、磯村に満塁弾を浴びた。 「チャンスだったので来た球を全部振るつもりでいた」という磯村の初球に甘いスライダー。レフトスタンドへ向けて思い切り引っ張った磯村は、よほどの手応えだったのだろう。打った瞬間に雄叫びを上げてバットを放り投げていた。プロ初のグランドスラムである。 広島は、この回、二死一塁から小園が執念のショート内野安打で出塁。二死一、二塁から代打の長野がファウルで粘りながら四球を選び満塁にして磯村へつなげた。 東京ドームでの今季初勝利で2位の巨人に0.5差と迫った佐々岡監督も、「つないでつないでのウチらしいつなぎで、まさかの磯村のホームランだったけれど、初球から積極的に打った結果。エースの大瀬良で東京にきて、絶対に負けられない試合の中で(大瀬良)大地がしっかりと試合を作ってくれた。秋山が先制2ラン、いい雰囲気の中で試合を運び、中継ぎ陣が踏ん張った結果だと思う。今年は東京では神宮でも勝っていない。(東京の広島)ファンのみなさん(の前で)いいい試合ができてよかった」と全員野球を強調した。今日16日のデーゲームに巨人に連勝すれば2位浮上となる。 一方の巨人は、6回に実に72イニングぶりのタイムリーとなる大城のライトフェンス直撃の三塁打で同点に追いついたが、勝ち越すことはできず、2試合連続で完封負けを喫した阪神戦に続き打線の不振が響いた。メイクドラマどころか借金「2」。各社の報道によると原監督は「菊地は責められない。打線がなんとかしなくてはいけなかった。流れを変える誰かが出てこないと。明日どうやって戦うか」とコメントしたという。