パラマウントがCEO解任、合併交渉のさなか幹部3人が経営率いる
(ブルームバーグ): 米メディア大手パラマウント・グローバルはボブ・バキッシュ最高経営責任者(CEO)を解任し、取締役会が経営権変更の可能性について交渉する中で経営を率いる委員会を任命した。
29日の発表資料によると、パラマウントの最高幹部で、映画部門責任者のブライアン・ロビンズ氏とショータイム・MTV責任者のクリス・マッカーシー氏、CBSを率いるジョージ・チークス氏の3人が同委員会を構成し経営を担う。
パラマウントは、デービッド・エリソン氏率いる独立系映画・テレビ製作会社スカイダンス・メディアと取引の可能性について交渉中。検討されている条件では、オラクル創業者ラリー・エリソン氏の息子であるエリソン氏が、パラマウント会長のシャリー・レッドストーン氏とその家族が保有する議決権付き株式を買い取り、スカイダンスをパラマウント社と合併させる。エリソン氏はパラマウントの新CEOとなるという。
これとは別にパラマウントが発表した1-3月(第1四半期)決算では、利益がウォール街の予想を上回った。2月の米プロフットボールNFLの王者決定戦「スーパーボウル」の放送が広告収入を押し上げ、ストリーミング配信事業の損失が縮小した。
1株利益は一部項目を除いたベースで62セントに増加。アナリスト予想平均は36セントだった。売上高は5.7%増の76億9000万ドル(約1兆2000億円)で、市場予想の77億4000万ドルを下回った。
ストリーミングサービス「Paramount+」の加入者数は7100万人に増加し、予想の6980万人を上回った。ストリーミング配信による損失は2億8600万ドルに縮小し、アナリスト予想の3億4710万ドルより小幅にとどまった。
パラマウントの株価は29日の時間外取引で一時2%上昇し、12.49ドルを付けた。
エリソン氏とパラマウントの独立取締役委員会は、数週間前から取引について独占交渉を行っている。独占交渉期間は5月3日に終了する。