野球を楽しむ「ラミちゃんCUP」開催 VAMOS TOGETHERの活動を通して届けたい想いとは
これから「ラミちゃんCUP」を様々なスポーツに広げたい
もともとやはり野球を通じての活動をしたかったというラミレスさん。ラミちゃんCUPは毎年続けていきたいし、今後色々なスポーツでも大会を広げていきたいと思い描く。活動はいつも家族ぐるみ。ダウン症である長男の剣侍(ケンジ)くんも一緒だ。 「例えばバスケを教えてくれる選手のサポートがあれば、ケンジもバスケができる。低いゴールでね」 ラミちゃんCUPを主催する社団法人「VAMOS TOGETHER」は、障がいがある「スペシャルニーズ」の才能と個性を最大限に引き出し、自立した生活ができる社会を目指して、夫妻が設立したものだ。
活動の原点はダウン症の長男を授かったこと
VAMOS TOGETHERは2020年に設立された。「VAMOS」はスペイン語で「さぁ行こう」。「TOGETHER」は英語で「一緒に」。あえて混合した言語は、国籍も障がいも関係なく、触れ合い助け合って共生していこうという意味を込めて付けられた。「みんな違ってみんないい」が理念だ。 活動の原点はラミレス夫妻の長男剣侍(ケンジ)くんがダウン症という障がいを持って生まれたこと。ダウン症は染色体が1本多いことにより、様々な身体的異常が現れる。ケンジくんも心臓の手術をした。言葉の発達もゆっくりだ。 障がいがあれば、サポートが必要なのは確かだ。でも、「それはほかの子どもも同じ。すべての子どもにはサポートが必要なのです」とラミレスさんは言う。 障がいとは、少しだけ特別な手助けが必要だということ。だからラミレス夫妻はあえて「スペシャルニーズ」という言葉を使う。 「日本では、障がいのある子を親が守らなくては、と思ってしまう。でも守りすぎると社会に出て自立できない。小さいうちから少しでもオープンにできる環境やシチュエーションがあれば、成長とともに親も子も自立の一歩を踏み出せます。守る、ではなくて、自立できる方法を教えていく。そういうところも活動を通じて、ご家族にお伝えできたらと思います」 話をするセミナーなら簡単だが、それよりも実際に同じ時間をともにして、見てもらったり、相談を受けたりして共有していけたら、と美保さんは言う。