齊藤工×竹林亮 劇場公開のみの映画「大きな家」 「普通」が重なり合って、自分の物語になっていく感覚を感じてほしい
齊藤 やっぱり僕自身も最初、児童養護施設という存在に対して、情報で外枠だけを固めて、そういう場所があって、そういう施設で生活している子どもたちがいる。…で次に行っちゃっていたんですよ。一歩踏み込まず…。 齊藤 ただ、一歩踏み込んでみて、こういった形で彼らと接してみて、僕らが思う「普通」と、施設の中で思う「普通」というものの“差”を感じましたし、何かその漠然とした「普通」というものが、この作品を通じて「重なっていく部分がある」ということが、この作品に教えられる一番のことだなと思っています。バイアスや圧力みたいなものが無い純度で作ったものなんですね。 齊藤 だから本当に…塩加減としては非常に味付けが濃いものではないので、映画館で ただただ「自分の普通」と、「観ている人の普通」と、この「大きな家の中の普通」というものが、合わさって、自分の物語になっていってくれたら、彼ら彼女たちが、喜ぶんじゃないかな…と思います。 齊藤 あと、年代別に描かれている形になっているんですけど、ここは1人の人格の成長譚のように思えたんですよね。だから、もちろん個人差はあるけど、年代によって、施設にいた時間によって、その施設への思い… 他人なのか、家族なのか、その間なのか、っていうことが どんどんグラデーションになっていくような感覚を受けたので、そんな(自分の中でいま考えている)「こうだろう」という施設での「当たり前の日常」みたいなものを、ぜひ映画館で体験していただけたら、作った甲斐があるのかなと思っています。 【担当:芸能情報ステーション】
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