【リニア進展】工事めぐりJR東海が実施方針の“ボーリング調査”について県内での調査を県が認める(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
リニア新幹線の南アルプスのトンネル工事をめぐり進展です。17日、静岡県はJR東海に対して、県内でのボーリング調査を認めました。 (鈴木知事) 「本日、大井川利水関係協議会から、全会員合意のもと、県中央新幹線対策本部あてに、静岡県内における高速長尺先進ボーリング調査の実施を了解する旨、報告がございました。県としても了解できるものと判断し、その旨、JR東海に回答をいたしました」 リニア新幹線の南アルプストンネル工事を進めるにあたって、工事区間の地質や地下水の状態を調べる“ボーリング調査”。県は17日、JR東海に対して、県内での調査を了承し大きな進展がみられました。 このボーリング調査をめぐってはJR東海は、2023年2月から、山梨県側から静岡県側に向けて調査をすでに進めています。一方、静岡県は、川勝前知事が在任中「水の流出や環境に影響を与える懸念がある」と主張し、2024年5月に退任するまで、一貫して県境300m手前からの調査を認めませんでした。しかし、川勝前知事の辞任直後、環境影響などを検討する有識者による専門部会で議論が前進。 (県専門部会 森下 部会長) 「専門部会としてJR東海が計画している高速長尺先進ボーリングは、提示された湧水管理やモニタリングが確実に行われることで、一定のリスク管理がなされると技術的な観点から確認ができた」 これまでボーリング調査に難色を示していた専門部会が「技術的に問題がない」と評価し、調査の実施を容認したのです。また、鈴木知事が就任してからは、JR東海の丹羽社長や国交省の斉藤大臣と面会したほか、静岡工区の工事予定地を自ら視察するなど、”リニア問題”に積極的な姿勢を示していました。 (鈴木知事) 「百聞は一見にしかずではありませんけれども、現場、特に重要な現場をきょう確認をさせていただきましまして、より理解を深めることができたとても良かったと思います」 そして、6月には、静岡県・山梨県・JR東海の3者で山梨県側のボーリング調査に合意し、事実上「山梨県内で行われる県境付近の調査」を了承しました。さらに、9月10日、JR東海から県に対して、県内区間のボーリング調査についても実施の了解を得たいと要請があったことから、県は大井川流域市町などで構成する利水関係協議会にその旨を伝え、了解が得られたことから、17日、JR東海に対して県内のボーリング調査の実施を認めたのです。 そして、17日 午後、県内のボーリング調査の了承について鈴木知事が取材に答えました。 (鈴木知事) 「ボーリング調査については5月13日の県専門部会でJR東海が示した対策が確実に行われることを前提に、一定のリスク管理がなされること技術的観点から確認されている」「岐阜県内の地下水位低下の事象をふまえ、6月4日にJR東海から追加の対策も示され、県専門部会で技術的な確認がなされている」 また、県は、県内のボーリング調査の了承にあたり、専門部会で示されたリスク管理を行うこと。不測の事態が発生したときは速やかに対応すること。調査で得られたデータを工事にフィードバックすることの3点をJR東海に対し求めたということです。