「プラモデルはやっぱり面白い」 Vol. 16 ジャガー Part 2
創業以来順調に歩みを続けたジャガーであるが、長い歴史の中では新時代を迎え進むべき方向の見直しも必要となった。
Part1に引き続き歴代のジャガーを採り上げるが、やはりデビュー順に則り紹介したいと思う。
「ジャガーマークⅡレーシング」タミヤ製1/24 1995年10月発売
1950年代のジャガーのラインナップはXK120とその派生モデル、またマークⅦという大型サルーンが中心であった。その為にユーザー層が限定されてしまったので、新たな主力モデルとして加えたのがスモールジャガーである。
まずは1955年に「2.4」をデビューさせた。4ドアサルーンとしてはコンパクトなサイズながら、装備面を充実させ、美しいボディのエンジンフード先端にはジャガーのマスコットが鎮座した。勿論、このマスコットはその後のモデルにも装備されたのはご存知の通りである。
その後、「3.4」も追加したが、ついに1959年には「マークⅡ」としてモデルチェンジを実施した。(これに伴い旧モデルの2.4と3.4は「マークⅠ」と呼ばれた。) マークⅡには従来の2.4リッター、3.4リッターエンジンに加え、3.8リッターの高出力エンジン(220HP)までが搭載された。従って「ジャガーマークⅡ 3.8」は世界でもトップクラスの高性能サルーンと成り得たのである。ディスクブレーキを採用し、サスペンションも改良されレースやラリーでも大活躍した。「ディスクブレーキ装着車」と書かれたエンブレムがわざわざ装備されていることでも有名。
作例はタミヤ製であるが、発売後29年を経過して絶版となっている。しかし現在でも高いレベルのスケールカーである。 さすがに高品質なタミヤ製だけあって、パーツ成型に問題があるはずも無く組み立ては順調に進められる。ただし若干コツを必要とする作業はボディにシルバーのラインを表現する「インレットマーク」の貼付である。本来は工員がフリーハンドで、筆で描いたと言われている。 (インレットマークとはデカールと違い、金属製の若干厚いシールである。貼り付ける位置を間違えると修正が難しく、折れ曲がってしまうと使用不可になってしまう。しかし金属製なのでリアル感はデカールより優れている。) 付着させる位置を間違えるとせっかくの美しいボディが台無しになってしまう。 貼付の際にはインレットマークを全体的に見ながら作業することが必要である。片端だけ位置決めして貼りだすと、全体としての位置が違ってしまうことがあるからだ。