「プラモデルはやっぱり面白い」 Vol. 16 ジャガー Part 2
実は私にとってもプラモデルのXJ220は苦い思いがあるスケールカーなのだ(まさしくスケールの小さな話だが・・・)。タミヤ製のキットの常であるが、付属の組立説明書通りに製作すれば完成するはずだ。だが私はXJ220の第一作目は完成出来なかった。完成間近でシャーシとボディを合体する工程で、問題があるにも関わらず力任せに組もうとしてしまった。合わない原因を確認しないで無理したので、バキッと音がしてウインドーが割れてしまった。万事休すであった。 従って作例は買いなおして、再度作った第二作目である。学習したことを忘れずに製作着手時にボディとシャーシの合いは確認を行なったので、無事に完成に至った。
真夏には乗車出来ないほど暑くなるのではないか、というほどルーフの大半が透明パーツである。なので、この透明パーツが曇っていたり、傷ついているとかなり目立ってしまう。接着前にはよく注意してコンパウンド(タミヤ製)などで磨く必要がある。
丁寧に組み立てれば問題無く完成出来る優れたキットであるが、とにかくXJ220は美しくも大きな車だ。Eタイプと並べてみると同じ1/24とは思えないほどである。惜しくもこれも絶版中。ネットなどで探せば5,000円程度で手に入れる可能性がある。
スケールカーの未来は?
読み終えて気づかれた方も多いはずだが、本稿で紹介したキットは残念ながら全て絶版中である。本コーナー「プラモデルはやっぱり面白い」では、これまでも数十車種のキットを紹介してきた。決して意図してきたわけでは無いが、大半は絶版となっている。
現在、プラモデル業界は活況を呈している、と言われているがスケールカーに限ってはどうなのか?気になったので、プラモデルの国内トップクラスのメーカーであるタミヤのカタログでスケールカーの動向を探ってみた。 2009年版スケールカー総数140(うち1/24 120) 2024年版スケールカー総数84(うち1/24 73) (ディテールアップアップパーツを除く) 残念ながら15年前より40%減少となっている。発売中のキット数だけでは動向の把握は出来ないが、古いキットからカタログ落ちしていることが通例である。実車の業界では自動車誕生から100年を迎えているが、その歴史上で貴重な遺産(実車、プラモデルとも)はどのような形でも残しておくべきだと思っている。
桐生 呂目男