アサド政権崩壊でシリアの刑務所の実態が明らかに…解放された“収容者”には幼い子どもも【news23】
収容者の家族らで作る団体(ADMSP)の報告書によると、2011年から2018年かけて3万人以上が処刑されたか、拷問や飢餓などが原因で死亡したということです。 収容されていた人 「ここでの生活自体が拷問だ。看守はあらゆる手段で収容者を始末しようとする。解放される瞬間が来るとは思わなかった。全員処刑されると思っていた。順番に処刑されていった。毎日処刑される人が呼び出されていた。100人、200人、300人が呼び出された」 アサド政権の崩壊を受けてイスラエルは、シリアとの間にある係争地「ゴラン高原」の非武装緩衝地帯に軍を展開させました。 イスラエル ネタニヤフ首相 「我々はイスラエル軍にこれらの陣地を占領するよう命令した。敵対勢力がイスラエル国境近くに潜伏しないようにするためだ」 イスラエルは「国境の安全を確保するための一時的な措置」だと主張。アメリカ政府は容認する姿勢を示しています。 一方、エジプト政府は「権力の空白を利用して国際法に違反する既成事実を作ろうとしている」と非難。サウジアラビアやヨルダンもイスラエルの動きを批判しています。 こうした中、反体制派勢力を主導した「シリア解放機構」のジャウラニ指導者は9日、ジャラリ首相と会談。政権移譲に合意したということです。 ■シリアまだ“二分” 背後にトルコと米国 小川彩佳キャスター: 反体制派の政権移譲の話し合いが行われているということですが、今後どうなっていくのでしょうか? 23ジャーナリスト 須賀川拓 記者: 「政権移譲」という言葉が出てくると、内戦が終わったんじゃないか、もしくは収束していくんじゃないかという感覚に取られてしまうんですが、事態はそれほどシンプルではありません。 今回アサド政権が倒れる前、シリアは大まかに言うと反体制側・クルド勢力・アサド政権側に分かれていました。しかし、アサド政権が崩壊したことで、反体制側が全土の3分の2ほどを掌握し、今は2つの勢力になっているわけです。