日本酒人気上昇中のオーストラリアで売れている、知られざる高級酒とは
一方、日本への旅目的が"雪山でスキー"というアクティブなオーストラリア人も多い中で人気を博していたのは、長野の「白馬錦」(白馬錦酒造)のブース。 「白馬錦 純米吟醸」(日本だと2,200円、当日の現地販売価格は約4,600円、720ml)が同アワードでゴールド賞を受賞し、イベントでも試飲・販売されていた。関税や輸送費など諸経費が乗せられるので、現地では2~4倍の価格で販売されていることが多い。 前述の遠藤氏によると「アワードに入賞した日本酒のオーストラリアでの市販価格は 60~80豪ドル(約6,000円~約8,000円)が多いように思えます」とのこと。 「白馬錦 純米吟醸」はその中では安い方に入るからか、受賞酒(46豪ドル)よりもワンランク上の「白馬錦 純米大吟醸」(日本だと2,640円 720ml)が、高級感のある桐の専用ギフト箱に入れられて157豪ドル(約15,700円)で試飲提供・販売されていた。それが飛ぶように売れていた。
イベントでしか購入できないような、よりプレミアムで高級な酒にオーストラリア人の注目は集まっていたようだ。白馬錦酒造の現地の販売担当者も「想像以上の売れ行き」と驚きを隠せない様子。 次回のイベント開催は2025年3月15日と16日。ブリスベンにて初の開催となる。日本酒だけでなく、日本の観光情報や工芸品の紹介のブースもあるイベント。マンガやアニメなどをきっかけに日本に興味を持ったオーストラリア人が、イベントで日本酒に目覚め、日本旅に魅力を感じ、インバウンドの旋風も巻き起こしてくれることを願いたい。
滝口智子