木星衛星ガニメデに巨大小惑星衝突の痕跡、恐竜絶滅させた天体の20倍 神戸大研究
希薄な酸素大気と地下海を持つ巨大衛星ガニメデ
■酸素と氷 NASAによると、ガニメデに希薄な酸素の大気が存在する証拠が、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)を用いた観測で発見された。この酸素は、ガニメデの表面にある氷に由来すると考えられている。また、これもHSTの観測データを用いた2021年の研究では、ガニメデの大気中に水蒸気が存在する証拠が初めて見つかった。さらに、ガニメデの氷に覆われた表面の下に地下海があると考えられている。 ■ジュノーとJUICE NASAの木星探査機ジュノーは、2021年に短期間のフライバイ(接近通過)でガニメデを訪れ、表面にクレーターの多い領域や溝状構造のある領域を画像に収めた。この表面構造が、40億年前のガニメデに何が起きたかを解明する手がかりとなった。ジュノーが収集したデータにより、ガニメデの表面に無機塩類と有機化合物が存在することが示唆されている。 欧州宇宙機関(ESA)のJUICE(木星氷衛星探査計画)探査機が現在、木星に向かっており、到着後は2034年から6カ月にわたってガニメデの軌道を周回する予定だ。成功すれば、月以外の衛星を周回する初の探査機となる。
Jamie Carter