日本のテレビ局で初 カンテレが生成AIを活用し連続ショートドラマを制作
カンテレの新人アナウンサーが主人公を演じる
関西テレビ放送は株式会社オルタスジャパンと共同で、生成AIを活用した連続ショートドラマ『八雲とセツの怪談事件簿』を制作することが8日、発表された。日本のテレビ局で初の試みとなる。 【写真】生成AIを活用 撮影現場の様子 カンテレの新人アナウンサー(秦令欧奈&田中友梨奈)が主人公を演じる様子をカメラで撮影し、その映像を生成AI技術でキャラクター化。生成AIで作った背景画像を、さらにスタッフが加工し、動画と合成した。 脚本、演出、撮影、編集など基本的な制作の工程は、これまでと同様に各分野のクリエイターが担当しつつ、サポート役として生成AIを活用。人間の創造力に生成AIを掛け合わせることでさらにパワーアップさせ、独自の作品が完成。このような試みは、日本のテレビ局としては初めてとなる。 『八雲とセツの怪談事件簿』は、主人公の八雲とセツが様々な難問・奇問に遭遇し、力を合わせてその謎を解き明かすショートミステリーで、全10話を予定している。 秦アナウンサーは「『今までにはないジャンルの経験で、今回のAIコンテンツを通し、アナウンサーとしてまた一歩表現の幅が広がったなと感じております。ずっと監督から頼まれていたのは『ナルシストっぽい感じ』でした。アナウンサーの仕事というよりは声優という印象で……(笑)。AIで加工された自分の姿を見た時、実際の自分より100倍格好良かったです!全力で殻を破って挑戦しております!ぜひお楽しみください!』」とコメント。 一方、田中アナは「『台詞も使う声も撮影環境もすべてが新鮮でした。ナレーションとは違い、表情や動きも意識しながら台詞を言うのに中々慣れず、最初はかなり緊張しました。ですが、グリーンバックの前に立って怪談事件簿の世界観を想像するのが段々楽しくなってきて、同期の秦とも呼吸を合わせられるようになったと思います。AIコンテンツという新しいジャンルを楽しんでいただけたら嬉しいです』」と振り返った。 代表取締役社長・大多亮氏は「『当社はこのプロジェクトを、生成AIを活用した番組制作の第一歩、映像制作の未来を切り開くミッションとして位置づけています。ここで得られた知見を、クリエイティブ現場に対する新たなサポート手段に繋げ、放送にも活かしていきたいと考えています。』」と呼びかけた。
ENCOUNT編集部