【闘病】連日の頭痛が「高安動脈炎」だったとは… 「なぜ自分が難病に?」
闘病者の爲國さんは、28歳のときから毎日の頭痛に悩み、病院にかかるようになりました。さまざまな診察や検査を経て、高安動脈炎の確定診断を受けたといいます。確定診断に至るまでには、半年以上の期間がかかったそうです。そんな爲國さんにこれまでの経緯や病気の治療方法などについて話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年9月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
確定診断まで半年以上かかった
編集部: 高安動脈炎とはどのような病気ですか? 爲國さん: 高安動脈炎は大動脈や大きな血管に炎症が生じる難病です。血管が狭くなったり、ふさがったりすることで、脳や心臓などの重要な臓器に障害が起こります。そのため、手足のしびれや倦怠感を感じることがあります。 編集部: 病気が判明したきっかけについて教えてください。 爲國さん: 2018年の年明け頃から、毎日頭痛が続いていました。痛み止めを飲みながら日常生活を送っていたのですが、やはり「これはおかしい」と思い近所の内科を受診することにしました。ですが、そのときの血液検査で異常は見られませんでした。 編集部: では、その後どうなったのでしょうか? 爲國さん: 3月頃から、頭痛に加えて胸が苦しくなってきたので、再度内科を受診して心電図検査を受けました。しかし、そこでも異常は見当たらず、原因がわからないため、痛み止めで対応することになりました。5月に入った頃から筋肉痛のような痛みも胸と背中に出てきたので、再度内科に相談へ行きましたが、湿布薬と痛み止めで様子をみることになりました。 編集部: またしばらく様子をみることになったのですね。 爲國さん: はい。ところが、6月中旬にジムでトレーニングをしていると急に左腕の力が入らなくなりました。バーベルを持ち上げられないという状態だったので、整形外科を受診し、レントゲンを撮り、その日は後日にMRIを撮る予約をして帰りました。 編集部: ほかには症状はありましたか? 爲國さん: 夜間になると暑く感じることが増えていましたが、あまり気にせず熱を測ることもしていませんでした。6月の終わりに咽頭痛と夜間になると38度近い発熱があり、耳鼻咽喉科を受診し、そこで咽頭の腫れを指摘され、採血では炎症反応が高く、次の日に大学病院の耳鼻咽喉科を受診するようにと紹介状を準備してもらいました。 編集部: その結果はいかがでしたか? 爲國さん: 大学病院では「そこまで喉は腫れていない」と言われ、処方薬をもらって帰宅することになりました。 編集部: なかなか確定診断が出なかったのですね。 爲國さん: はい。症状の改善がみられなかったため、3日後にステロイドの点滴を受けることになりました。ステロイドは効果がありましたが、2~3日ですぐに咽頭痛と発熱が再発し、炎症反応も日々上昇していました。 編集部: ほかの科には受診されなかったのでしょうか? 爲國さん: 7月中旬あたりから、胸と背中の痛みが増して、寝ていても夜中に目が覚めるようになりました。寝ていても座っていても辛い状態で、食事をするときも胸が痛くて、食事量も減っていきました。呼吸器内科を受診し、肺のレントゲンや肺活量などの検査をしたのですが、それでも特に異常は見つかりませんでした。 編集部: 入院にはならなかったのですか? 爲國さん: はい。その後しばらくステロイドの点滴や痛み止めで様子をみていましたが、呼吸苦と上半身の激痛があり救急科を受診したところ、採血でCRP(炎症反応)が20を超えていたため、翌日総合内科で胃カメラと採血を実施。胃カメラは異常なしでしたが、採血ではCRPが26まで上がっていたため、精査目的で入院となりました。2018年7月26日のことでした。 編集部: その結果、確定診断されたのでしょうか? 爲國さん: いいえ。病棟で血圧測定を受けた際に左腕の血圧が測れず、脈が触れなかったため、至急造影CTを受けました。その結果、大動脈弓が肥厚しており、左鎖骨下動脈と椎骨動脈の狭窄がみつかり、高安動脈炎と診断を受けました。