一橋卒の高学歴ドラァグクイーン・エスムラルダ(52)が明かす、同性愛者を自覚し悩んだ時代「豊富な性体験を赤裸々に話す人がいて…」
初めての新宿2丁目は苦い経験
――同性愛者であることを自覚したんですね。 エスムラルダ それが大学1年のとき。当時“新宿2丁目”の存在は橋本治の小説や雑誌の記事で知ってたんだけど、行く勇気がなくて……でも、周りに自分と同じような人がいるとも思えず、人生で一番、悶々とする日々を過ごしていました。 それで大学2年の初夏、5月の終わりの土曜日に「このままじゃ埒が明かない!」と思って、ついに夜の新宿2丁目に向かったんです。20歳になっていました。 その日、家の最寄駅から京王線で新宿に向かってると、だんだん行く手に雲が立ちこめてきて、新宿に着いたらもう土砂降りの雷雨。新宿御苑前駅の出口で雨宿りをして、雨が止むのを待ってから2丁目に向かったんです。雨上がりで気温が高くて街中にもやがかかって、幻想的で。 そんな中、生まれて初めて、たくさんのゲイの人たちが歩いているのを見て、ワクワクしました。でも、どこのお店に入っていいのかわからなかったので様子を見ていたら、あるお店にたくさん若い人が入って行ったので、私も続いて入ってみたんです。 店の中はMTVが流れてて、おしゃれなゲイの人たちがいっぱい。しばらくぼーっとMTV見てたんだけど「これじゃ何も変わらない!」と思い、1人でいるお兄さんに「今日初めて来たんですけど、話し相手になってもらえますか?」って話しかけたら「いいですよ」って言ってくれて。 で、しばらく2人で話していたんだけど、そのうち仲間がドヤドヤって入ってきたら、そのお兄さんが「聞いて! この子、今日初めてなんだってェ~」って、急にオネエ言葉になってビックリ! そのうえ、そのグループに自分の豊富な性体験を赤裸々に話す人がいたものだから「こんな汚れた世界には馴染めない!」と大ショックを受けて……結局、終電で帰りながら、また孤独感にさいなまれることになっちゃった。 ――初めての新宿2丁目はインパクトが強すぎたんですね。
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