シリア反体制派、攻勢開始から12日目で…首都制圧し「独裁者アサド打倒」宣言
長期化する内戦で、アサド政権は後ろ盾のロシアやイランの支援を受けて軍事的優位を確保してきたが、ウクライナ侵略を続けるロシアの支援低下に加え、政権を支えたレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラもイスラエル軍との戦闘で弱体化した。反体制派は、イスラエルとレバノンの間で停戦が発効した11月27日に大規模な反攻を開始。北部アレッポや中部ハマなどの要衝を次々に制圧していた。
◆シリア内戦=2011年3月、中東の民主化運動「アラブの春」がバッシャール・アサド大統領の父の代から長期政権を敷くシリアに波及し、反体制デモをアサド政権が弾圧したことがきっかけで内戦に発展した。15年にロシアがアサド政権の支援のために軍事介入して以降、政権側は軍事的優位を高め、反体制派を北西部イドリブ県に追い込んだ。20年にイドリブ県での停戦合意が結ばれてからは大規模な衝突は起きず、膠着(こうちゃく)状態が続いていた。