「いつも来てくれる」。サッカー五輪代表監督も認識しているサポーターは大学生 同世代のチーム追い2年半、アウェーの洗礼も共に浴びた
▽初海外はドバイ、最高の船出 大岩ジャパンを応援するようになったのは、一人の選手のメンバー入りがきっかけだった。当時清水エスパルスに所属していた鈴木唯人(22)(現在デンマーク1部リーグ、ブレンビー所属)だ。 これまで五輪に出場するチームを、選手と同世代のサポーターが中心となって応援してきたことも、タカヒロさんの背中を押した。 チームの初陣は22年3月。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された国際親善大会「ドバイ・カップ」だった。「海外に行ったことがなかったので、悩んだ」というタカヒロさん。経験豊富な先輩サポーターに相談し、太鼓や「2024→PARIS」と書いた横断幕を抱え、現地に乗り込んだ。 およそ10日間の滞在は、「初めての海外にしては相当楽しめた」。現地に住む日本人が一緒に応援してくれたり、食事をご馳走してくれたり。試合の合間には当時開催されていた万博などで観光も楽しんだ。チームは優勝を飾り、最高の船出となった。 ▽水が飲めない!アウェーの洗礼
タカヒロさんは大学生活の合間にアルバイトをし、「当然無駄遣いはしない」とやりくりをしながら、これまでに13カ国を訪れた。ただ、決して楽しいことばかりではない。日本でのサッカー観戦ではおおよそ考えられないような「アウェーの洗礼」も浴びてきた。 22年6月、地元ウズベキスタンと対戦したアジアカップ準決勝。相手サポーターは入場を禁じられていた。準々決勝でピッチにものを投げ入れるなどしたためだ。 スタンドにはタカヒロさんら日本人サポーターだけ。チームを後押しする絶好のチャンス。ただ、そんなにうまくはいかなかった。 スタジアム内では突如現地メディアが応援を始め、外でも数千人の現地サポーターが大騒ぎしていたという。日本は2失点を喫して敗れた。「本当ならラッキーな状況なのに、応援が成り立たずに終わってしまった」と悔やむ。 23年9月、アジアカップ予選で訪れたのは高温多湿のバーレーン。じっとしてても汗が吹き出すような暑さの中、スタジアム内はまさかの「水持ち込み禁止」。1試合目は水分を取らず応援をやり切った。