ストックを持って歩く中高年が急増中?「ノルディックウオーキング」とは
両手に持った2本のポール(ストック)を使って歩く「ノルディックウオーキング」が、中高年層を中心に愛好者を広げています。もとは北欧のスキー選手らの夏季のトレーニングでしたが、有酸素運動や健康維持につながるとして普及。特に高齢化が著しい日本では老化対策やぼけ防止も期待できると関心を集め、振興団体などが各地で大会を開いています。長野市でこのほど行われたウオーキングの集いに同行してみました。
ストックを地面に突いて歩く
21日午前10時、長野市内に集合したのは中高年を中心にした女性10人と男性2人。主催は市中心部の自治組織、第三地区まちづくり協議会の福祉保健部会で、「ノルディックウォーキングを楽しもう!」と銘打った毎月第三木曜日の定例開催は参加無料。5年ほど続いています。 指導者の小山孝夫さん(77)=長野市=は、日本ウオーキング協会の元指導員で、ウオーキング歴は20年。2本のポールを使って参加者とともに準備体操を終えてから街の中に歩き出しました。「ポールを後ろに引きながら歩き始め、自然にポールを突いて歩くようにしましょう」「普通に歩く速さより少し速い時速5キロで行きましょう」「水は一度にたくさん飲まず、15分に1回ぐらいのペースでこまめに」とウオーキングの要点を参加者に伝えながら、商店街のアーケードを通り過ぎます。
御開帳開催中の善光寺表参道のにぎわいの中、ウオーキングのグループは善光寺をう回するコースへ。参加者の元国鉄職員の男性(86)は、「このウオーキングのほかにも毎月2つのウオーキングに出ています。そのせいか体の調子はいいですよ。おなかも出てこないし」。 より効果的な歩きにする方法として小山さんは「インターバル走法と同様に3分速歩したら3分はゆっくり、これを繰り返すといいようですね」「マラソンと同じように鼻からスッスッと息を吸って、口からハッハッと吐くといいですよ」と声をかけます。
やがて善光寺の西側の丘陵地帯の森に入り、5分間休憩。ここまでの行程は3.2キロ。塩アメが配られ、汗ばんだ参加者の体調を整えます。沢水の音を聴く参加者の耳にウグイスの鳴き声が大きく聞こえてきます。市街地から歩いてわずかな所にある深い森を思わせる環境。信州・長野県の恵みも味わえるウオーキングです。