日産とホンダ、経営統合に向け検討を開始 三菱自動車は参画関与の可能性を検討
日産自動車と本田技研工業は12月23日、両社の経営統合に向けた協議・検討を開始することについて合意し、同日、共同持株会社設立による経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結したと発表した。 両社で検討する経営統合の方式は、共同株式移転により両社の完全親会社となる共同持株会社を設立し、日産とホンダの両社を、共同持株会社の完全子会社とする予定。経営統合実現後の経営体制については、共同持株会社の社内取締役および社外取締役のそれぞれの過半数を、ホンダが指名する予定。また、共同持株会社の代表取締役社長または代表執行役社長については、ホンダが指名する取締役の中から選定する予定。 そのほか、共同持株会社の名称や本店所在地、代表者、役員構成、組織等については、今後の統合準備委員会における協議・検討、ならびに今後実施するデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、最終契約書締結までに決定する予定とした。 今回の基本合意に対して、本田技研工業 取締役 代表執行役社長の三部敏宏氏は「今回は、まだ検討を開始する段階であり、経営統合を決定したわけではありませんが、それぞれが独自の強みを持つ、この2社の掛け合わせでしか生み出せない化学反応により、唯一無二の”モビリティの新価値を創造するリーディングカンパニー”となることを目指し、2025年1月末をめどに経営統合の可能性について方向性を見出すべく、両社で検討を進めていきます」と説明した。 日産自動車 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者の内田誠氏は「本日、私たちは経営統合に向けた検討を開始することとしました。これが実現すれば、私は両社の強みを掛け合わせることで、1社だけでは成し得ない、そしてこの2社でしか生み出すことのできない新たな価値と、これまでにないクルマの楽しみを、両社のブランドをご愛顧いただいている世界中のお客さまに提供することができると確信しています」とコメントしている。 また、この日産とホンダの発表に合わせて、日産とホンダ、三菱自動車工業の3社は、日産とホンダが基本合意した共同持株会社設立による経営統合に向けた検討に対して、三菱自動車が参画・関与およびシナジー享受する可能性について検討することに合意し、同日、3社で覚書を締結した。三菱自動車は、2025年1月末をめどに日産とホンダによる経営統合への参画・関与の可能性に関する検討結果を出すことを目指す。 三菱自動車工業 取締役 代表執行役社長 兼 最高経営責任者の加藤隆雄氏は「変革期にある自動車業界において、今回の2社の経営統合に向けた検討開始は、シナジーを最大化させるものであると確信していますし、当社との協業にも高い価値をもたらすものと期待しています。3社の強みを活かしていくために、どのような形態がベストかを当社としても早急に検討していきます」と述べている。
Car Watch,編集部:椿山和雄