ビットコインマイナーはM&Aモードに:投資銀行
投資銀行アーキテクト・パートナーズ(Architect Partners)が25日に発表したレポートによると、ビットコイン(BTC)マイニング業界は、4月の直近の半減期によって引き起こされた統合段階の只中にある。 マネージング・パートナーのエリック・リスリー(Eric Risley)氏とアナリストのアルジュン・メヘラ(Arjun Mehra)氏は、「戦略的な推進要因は、低コストの電力と資本へのアクセスを持つ大規模で拡張可能なデータセンター能力を確保することであり、これは企業規模が大きくなるほど容易になる」と説明した。
ビットファームズがストロングホールドの買収を発表
ビットファームズ(Bitfarms)によるストロングホールド・デジタル・マイニング(Stronghold Digital Mining)の買収計画は、この最近のM&A(合併・買収)トレンドを示す証拠だ。 レポートによると、この取引に注目すべき理由は、ビットファームズが5月に競合のライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)からビットファームズが望んだわけではない買収提案を受けたことだ。ライオット社はそれ以来公開市場でビットファームズの株式の19%を購入しており、経営陣の交代を求める動きを扇動し、取締役のうち2名の交代を求めてプロキシー・ファイトを行った。 レポートの著者らは「時には最善の防御は攻撃だ」とし、ビットファームズがその後、経営陣と取締役会の変更とともにストロングホールドの買収を発表したことに言及した。 しかし、レポートは敵対的M&Aは難しい場合があると警鐘を鳴らし、人材に依存するテクノロジー業界や金融サービス業界ではそのような取引は珍しいと指摘。「しかし、ビットコインマイニングはこれとは違いが大きく、電力へのアクセスと広く利用可能なコンピューティング機器を持つ物理的な施設が核となる資産だ」と述べた。
ビットコインの当初のビジョンに反する
アーキテクト・パートナーズは、現在の統合段階は皮肉だと述べた。ビットコインの創設者サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)氏の当初のビジョンは、誰でもコンピューターを設置してビットコインをマイニングでき、誰もがネットワークを運営でき、誰も大量のハッシュレートを支配しないというものだったためだ。 マイニング業界の集中化の影響はまだ見られていないが、ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏や彼が創設したブロック(Block)のような一部は、「マイニングの分散化への回帰を支援する半導体やシステムを構築することで」このトレンドを逆転させようとしているとレポートは指摘した。 |翻訳・編集:林理南|画像:Sandali Handagama/CoinDesk|原文:Bitcoin Miners Are in M&A Mode: Architect Partners
CoinDesk Japan 編集部