韓国人主将の苦悩…日本語堪能でも「僕は外国人」 大役受諾を決意させた指揮官の言葉【インタビュー】
阿部勇樹氏のプレーを参考に「こういう選手になりたいと思った選手は1人だけ」
そんなキム・ミンテの理想の選手は、かつて浦和レッズで一時代を築いた元日本代表の阿部勇樹氏。「憧れじゃないですけど、こういう選手になりたいと思った選手は1人だけいました」と、その多彩な能力に衝撃を受けたことを話してくれた。 「うまいし、フィジカルもあるし、キャプテンもやっていましたよね。試合の流れを読みながらもしっかり守備のところでバランスも取れる、攻撃の面ではスルーパスも出せる選手でした。ボランチも、センターバックもこなしていて、すごく(プレーの)参考にしていました。札幌時代に分析スタッフの峰さんという人が、よく阿部選手のプレー集を見せてくれました。その時から、『ああいう選手になりたい、あんなプレーをしたい』とは常に思っていましたね。守備もできながらうまい選手になりたかったので、Jリーグのなかでは一番当てはまる選手だったのではないかなと思います」 今も成長を続けるキム・ミンテは、主将を任され今もなお成長し続けている。「よく選手を見るし、よく考えています。性格的に監督の言葉を考察したりもしますね。『もしかしたらこういう狙いだったのかな』とか……」。1人で思考を巡らせるなかで、気付き、ポジティブに変換していく。Jリーグの第一線で戦い続ける30歳の強さは、そこにあるのかもしれない。 [プロフィール] キム・ミンテ(キム・ミンテ)/1993年11月26日生まれ、韓国出身。福光云大(韓国)―仙台―札幌―名古屋―鹿島―湘南。J1通算199試合7得点。U-22、U-23韓国代表としても活躍。2015年に日本に渡り今季で10年目。強固なCB(センターバック)として数々のJクラブを経験。湘南では24年シーズンのキャプテンに任命され、チームを牽引している。
FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko