小川フミオが選ぶ今年の1台は「トヨタ ランドクルーザー70」━━【若者はこれに乗れ! KURU KURAカー・オブ・ザ・イヤー2024-2025】
ドライブデートしたいクルマ
■ミニ エースマン|MINI Aceman 運転席と助手席は近いのに、乗員の心情からすると何マイルにもおよぶギャップがあいだにある。というのは、助手席のひとは運転という楽しみがないから。 ドライブデートでのもてなしといえば、車中の時間はかなり重要。そこで最新世代のミニ・エースマンはいい。なにしろ、インテリアは凝りに凝っている。素材といいデザインといい、これクルマ? というぐらい、ぶっとんでる。 しかもオーディオは演出効果もばつぐん。音もいいが、それ以上にビジュアルがいい。円形のモニターにレコードがゆっくり(10rpmぐらいかな)まわっているディスプレイはおもしろがってもらえるはずだし、そこに指をあてて前後にこするとキュキュッとスクラッチ音まで。助手席も退屈させないクルマなのだ。
家族でお出かけしたいクルマ
■プジョー リフター ロング|Peugeot Rifter Long 機能主義的なクルマを作らせると欧州はやっぱりすごい。マジメだ。7人乗れて、1.5リッターなのにディーゼルエンジンは力不足も感じさせず、どこへでも行けてしまう。 2列めシートも椅子のようにしっかりしたデザインだし、3列めのシートもけっして緊急用でなく、おとなが座っていられる。このクルマがあれば、市街地の移動も、ホームセンターへの買い出しも、キャンプだって楽しくこなせるはず。 本来は商用車なのだけれど、乗用車的な快適さをちゃんと実現している。デザインも適度にガイシャ感がありつつ、悪目立ちしなくて、そこも好感度ポイント。欧州の実力は、こういうクルマに発揮されうと思う。お父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさんを乗せてあげて、家族でそれを味わってほしい。
運転が楽しいクルマ
■トヨタ GR ヤリス|Toyota GR Yaris 自分が20代だった1980年代、憧れといえばホットハッチ(高性能ハッチバック)だった。とくにVWゴルフGTI、ルノー5アルピン、プジョー205GTI、フィアット・ウーノ・ターボ、アウトビアンキA112など、乗りたい! と思ったもの。 そのときの記憶を熱くかきたててくれるのが、GRヤリスだ。運転って楽しいと、気づかせてくれるはず。 若者は(幸いというべきか)デカいSUVにあまり食指を動かしてはいないようなので、そのまっすぐな気持ちのまま、純粋に運転が楽しめるGRヤリスに乗ってほしい。 iMTというシフトダウン時に回転合わせをクルマがやってくれる機構はサーキットとかではたいへん便利だけれど、ふだんならATでもじゅうぶん。ハンドリングのよさを味わうクルマなので、2ペダルで魅力が薄れるということもないですよ。