「日焼け止め」と「痛み止め」の併用がNGのケースも 日光に当てると〝意外な副作用〟、なぜ起きる?
日焼け止めに広く含まれる物質が
では、なぜ日焼け止めとの併用が問題になるのでしょうか。実は、初回のアレルギー症状が収まったあと(一度アレルギー反応が成立してしまったあと)に、原因となった物質(この場合はケトプロフェン)とは別の物質(X)により、同様のアレルギー症状が引き起こされることがあります。 これには、原因物質とXの構造が似ていることで引き起こされるケース(交叉感作性)、構造が似ていなくても引き起こされるケース(共感作性)があります。久光製薬によれば、後者については、原因がよくわかっていないそうです。 そして、ケトプロフェンの光線過敏症においては、一部の鎮痛剤に含まれる物質や日焼け止めに含まれる物質が、Xに当たる可能性があります。2003年には、こうした別の物質についても薬の添付文書に注意喚起が追記されました。 その中でも、厚労省が警戒を促すのが、紫外線防止剤等として化粧品に広く含まれている化合物・オクトクリレンによるアレルギー反応です。「日光に当たること」と逆のイメージである日焼け止めとの併用がNGになるというのは、この副作用の意外なところでもあるでしょう。 ケトプロフェンを含む医療用医薬品においては、過去にオクトクリレンを含む日焼け止めなどの製品に対して過敏症を起こしたことがある人の使用はNG。一般用医薬品においては、予防的対策として、オクトクリレンを含む製品との併用を行わないように、「してはいけないこと」と使用上の注意に明記しています。 久光製薬はモーラステープについて、「貼ったところを日光に当てないでください」「剥がしたあとも少なくとも4週間は同じように注意してください」、また「化粧品、サンスクリーン、香水等でかぶれたことのある方は、医師または薬剤師にご相談ください」と注意喚起しています。 さらに、「この医薬品は、医師や薬剤師からの指導のもとで処方される薬であるので、指導されたことを守り、安全にご使用ください」「発疹・発赤、かゆみ、はれなどの異常があらわれたら、すぐに使用を中止し、患部を遮光して主治医または皮膚科専門医にご相談ください」と使用者に呼びかけています。