<夢への軌跡~22年センバツ丹生~>支え、喜び 分かち合い ともに初勝利へ、4人のマネジャー /福井
18日に開幕する第94回選抜高校野球大会。大会第5日(22日の予定)に広島商と対戦する丹生の野球部には、4人の女子マネジャーがいる。3年生になる礒部美海さん、上田朱李さんと2年生になる桒(くわ)原彩来さん、三谷美尋さんだ。練習の補助や間食の準備など幅広い仕事をこなして選手らを支える彼女ら。「選手たちの頑張りに、私たちも支えられてるんです」と笑顔で打ち明ける。【大原翔】 4人は「家族に野球経験者がいる」「人を支える役割がしたい」などの理由で入部した。マネジャーの仕事は、部員らの体調確認と監督への報告▽練習時のバットやボールなど道具の用意や片付け▽ノック練習で球出し役をする監督へのボール渡し▽部員の間食用のおにぎり作り▽投球練習場の草むしり――など多岐にわたる。 試合の日は道具や飲み物などの準備のため朝4時半に起きることもあるなど苦労もあるが、桒原さんは「苦労をともにするマネジャーが他に3人いるから、裏方の仕事も頑張れる」と話す。副主将の小松海夢選手(3年)は「彼女たちがいるから練習に打ち込める。大変だろうし、本当にありがたい」と感謝する。 日々をともにした選手たちが試合で活躍することは、彼女たちにとっても大きな喜びだ。上田さんは、昨秋の県大会で本塁打を放った井上颯太選手(2年)が、ベンチに戻った時選手だけでなくマネジャーにもハイタッチしてくれたことがうれしかったという。「選手とマネジャーで立場は違うけど、喜びを分かち合えていると感じられた」と振り返る。 甲子園では記録員として1人がベンチ入りし、他のマネジャーはスタンドで応援することになる。だが、どこにいても思いは同じだ。三谷さんは「強豪ばかりの甲子園で雰囲気にのまれるかもしれないが、丹生らしいプレーをしてほしい」とエールを送り、礒部さんは「選手が大会で100%の力を出し切れるよう、私たちも全力でサポートしていきます」と固く誓った。