脱炭素都市へのステップ…韓国が描く「カーボンニュートラル都市」計画のポイント
【11月06日 KOREA WAVE】韓国大統領直属組織「2050カーボンニュートラル・緑色成長委員会」と国土交通省、環境省は4日、ソウルで「カーボンニュートラル都市カンファレンス」を共同で開催した。政府としてカーボンニュートラルを目指す科学的な都市設計の方向性を検討するのが目的だ。 カンファレンスには都市・環境関連の研究機関、学界の専門家、業界関係者など約100人が参加。都市レベルで気候危機に対応し適応するための可能性を模索し、カーボンニュートラルに寄与する科学的な都市設計の方向を構想する場となった。 カンファレンスでは、持続可能なカーボンニュートラル都市実現に向け▽包括的・マクロ的な都市計画アプローチ▽都市開発段階ごとの具体的な推進戦略▽日本など海外のカーボンニュートラル都市の事例――のテーマに基づき、各分野の専門家が発表・討論した。 建築空間研究院カーボンニュートラルセンター長のイ・ウンソク氏は「気候危機対応力強化のためのカーボンニュートラル都市計画」について発表し、カーボンニュートラル都市の必要性と推進のための都市計画の役割を説明したうえ、具体的な計画案を提案した。 ソウル市立大のイ・スンイル教授(都市工学)の発表は「カーボンニュートラル都市への転換に向けた段階的推進戦略」がテーマ。実効性を高めるためには、都市事業の進行中に状況に応じた詳細な戦略を随時策定することが重要だと強調した。 また、グリーンデジタル研究所のイ・ボンソク主任研究員は「日本におけるカーボンニュートラル都市の推進動向と事例紹介」をテーマに講演した。日本で実行中の都市および地域単位の都市計画制度と事例をもとに、韓国のカーボンニュートラル都市に必要な示唆を提供した。カーボンニュートラル都市実現には自治体、業界、学界の緊密な協力や実行可能な政策の企画・遂行、持続的な管理体制の構築が重要だと述べた。 政策討論では、大韓国土都市計画学会のチェ・ボンムン会長(牧園大教授)が司会を務め、国土交通省、環境省、建設技術研究院、韓国環境研究院などから専門家が参加し、持続可能な都市実現に必要な創造的アイデアと科学的な政策案を出し合った。 カンファレンスは、今後の都市単位での炭素削減およびエネルギー、建物、交通など分野ごとの詳細な戦略策定に必要な科学的基盤と政策的アイデアを提供した。 カーボンニュートラル・緑色成長委員会共同委員長のハン・ファジン氏は、開会の辞で「都市は世界の温室効果ガスの70%以上を排出しており、カーボンニュートラルの実現には都市の役割が非常に重要だ。都市計画と連携した低炭素化推進戦略を立て、エネルギー、建物、交通、廃棄物など各分野の炭素削減案を都市に有機的に統合できる科学的で精緻な手段と政策が必要だ」と述べた。 国土交通省のイ・サンジュ都市室長は「持続可能なカーボンニュートラル環境の構築には、都市単位での段階的アプローチが必要だ」と述べ、同省が推進中の水素都市事業の経験を生かし、今後も都市のカーボンニュートラル化に向けた様々な政策を推進する意向を明らかにした。 また、環境省グリーントランスフォーメーション政策官のソ・ヨンテ氏は「カーボンニュートラルの実現には都市の炭素削減が不可欠だ。環境省と国土交通省が進めるカーボンニュートラル都市のモデル都市を指定し、その成果を全国に拡大するため全力を尽くす」と強調した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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