オジサンだからこそ似合う!生産終了ルノートゥインゴは世界一オシャレなコンパクトカーだった
2023年7月、ルノー・ジャポンはコンパクトカー「トゥインゴ」の日本向けモデルの生産を同年限りで終了すると発表しました。パリが仕立てたコンパクトカーであるトゥインゴ。日本でも愛されたモデルで、消滅は実に寂しい限り。トゥインゴの魅力についてご紹介しましょう。 【写真】ルノートゥインゴの初代から現行までを画像で振り返る
■秀逸なデザインと効率的なパッケージングで個性を発揮
初代トゥインゴは1992年のパリモーターショーでお披露目されました。欧州においてはAセグメントというもっとも小さいカテゴリーに分類されるトゥインゴですが、日本の軽自動車よりも全幅があり、デザイン上のバランスや見た目から感じる安定性など、軽自動車とは随分印象が違います。 初代はコロンとした丸みのあるデザインや半円形デザインのヘッドランプなどでかわいらしい雰囲気が特徴でしたが、不思議と大人の男性が乗っても違和感がなく、むしろおしゃれ感を演出してくれる、そんなクルマでした。 しかしながら、四輪のタイヤをできるだけボディ四隅に配置したことや、エンジンルームもギリギリまで切り詰めてキャビンスペースを確保する設計としたため、右ハンドル化ができず、エンジンも複数ラインアップをもつことができないというマイナス要素がありました。そのため2007年デビューの2代目ではノーズを伸ばし、ディーゼルエンジンの搭載や右ハンドル化など、グローバルモデルとしての発展するための要素が取り入れられました。 これによって、メカニズムや安全性、バランスの良いパッケージングという面では初代を凌いだ2代目ですが、デザインコンシャスな雰囲気はあまり感じられず、存在感としては薄めの印象でした。ただ、ルノー・スポールなどレーシーな仕様もあったため、走りを楽しみたいユーザーにとっては刺さるモデルとなりました。
■現行型は、大胆なレイアウト変更と伝統のデザインテイストを採用
現行型は2014年にジュネーブモーターショーでお披露目された3代目です。初代・2代目とは違い、5ドアモデルのみとなりましたが、リアドアのノブをピラーに埋め込んだヒドゥンタイプとすることにより、ぱっと見は3ドアのように見えるすっきりさがあります。 デザインは全体的にプレーンな印象ではあるものの、フロントにはボディサイズの割に大きなルノーのエンブレムと、それを中心に左右のヘッドランプをつなぐグリルが特徴となっており、リアは小ぶりでスタイリッシュなC型コンビネーションランプと、全面ガラスのリアハッチが印象的です。 これらのデザインには、ルノー往年の名車、「5(サンク)ターボ」のイメージを取り入れているとのこと。伝統とモダン、先進性をコンパクトなボディいっぱいに感じさせるデザインです。 ただ、3代目トゥインゴ最大の特徴は、なんといっても、RR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトの採用でしょう。エンジンをリアのラゲッジ下に49度ほど傾けた状態で配置したことで、タイヤを車両の四隅に配置することができ、このクラスでは十分なキャビンスペースを確保。 またFFと違ってフロントタイヤを大きく切ることができるため、2490mmのロングホイールベースであるにもかかわらず、最小回転半径は4.3mと、日本の軽自動車と同等レベルの小回り性能を実現しています。