もしかしてマナー違反!? 多くの人が間違っている靴の脱ぎ方【訪問先・和室でのマナー】大人の品格マナー講師・末永貴美子さんインタビュー
畳のヘリは踏まないほうがいいって本当?
畳のヘリ(畳同士が接合されている模様のある部分)を踏まないほうがいいのは本当です。外で歩く時のように大股で歩いてしまうと、歩幅が合わずにヘリを踏みやすいので、和室で歩く時は歩幅を狭めに。すり足ですこしずつ進むようにすれば、ヘリを避けて歩きやすいはずです。同じく、ふすまや障子の敷居(レール部分)も踏まないように気をつけましょう。
いきなり座ってもいい? 手土産を渡すタイミングは?
上司のお宅などを訪れた時に「どうぞ」と言われ、いきなり座布団に座ってしまうと、偉そうに見えてしまいます。勧められてもいきなり座らず、座る前に挨拶をするのが正式な作法です。座布団の横に座った状態で「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます」「今日はよろしくお願いします」などとご挨拶をした後に手土産を渡し、「座ってください」と言われてから座布団に座りましょう。座布団ではなく、椅子やソファーを勧められた場合は、座る前に、立った状態で手土産を渡すのがいいですね。 また、手土産は紙袋から取り出してから、相手のほうに向けて渡すことをお忘れなく。紙袋は“チリよけ”のためのものですから、手土産を出した後は自分で持ち帰ります。
ずれている座布団を直してもいい?
座布団は、招待していただいた方のおもてなしのひとつです。意外と知られていませんが、座布団は踏まない、無駄に動かさない、裏返さない。自分の座る位置からずれていたとしても、動かさないのがマナーです。ドカンと勢いよく座ったり、踏んだりする人もいますが、作法としてはNG。雑にせず、大切に扱いましょう。
正座の足を崩したくなったら…?
新年のご挨拶では基本的に長居しませんが、座布団の上に座ったら、「どうぞ崩してください」などと言われるまで崩さないのがマナーです。
スマートな切り上げ方は?
お正月のご挨拶は基本的に玄関先で行いますが、家に上がらせていただいた場合の滞在時間は、お茶を飲ませていただく程度だと考えておきましょう。相手との関係によりますが、目安は30分から1時間ほど。食事の時間帯を避けて伺い、できるだけ早く切り上げるのがいいですね。「またゆっくり」という言葉があれば、相手に嫌な気持ちをさせることもないでしょう。 退室する時も、部屋に入った時と同じように、座布団から一旦降りて座ったままご挨拶をするのが正式なマナーです。それを取り入れるだけでも、印象は大きく変わります。 意外と知らない和室のマナー。お正月に顔を合わせるような大切な人の前では尚更、恥ずかしくないように振る舞いたいものですね。礼儀正しい人だと印象づけられるように、しっかりとおさらいしておきましょう。 取材・文=吉田あき