トランプ氏勝利 市場はトランプトレード進行 ダウ平均株価は史上最高値を更新/FRB 2会合連続で利下げ パウエル議長と関係悪化トランプ氏の「介入」懸念 舵取りに注目【Bizスクエア】
――だからあれだけインタビューをやっても想定問答やプロンプターの世界から出られなかったという弱さに繋がったのか。 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: もう一つ付け加えると、ハリス氏は、バイデン氏が撤退して支持してくれた。バイデン氏から副大統領に任命してもらったおかげで全米的な政治家になったので、バイデン氏を裏切るようなことは絶対できない。だから経済政策がうまくいってないとバイデン氏を否定しなくてはならないが、踏み込めない。そうすると中途半端な政治家で抽象的な「新しいページをめくろう」とか「未来を向けて頑張ろう」など、そういう響かないメッセージで終わってしまった感じがする。 ――大統領選挙だけではなく、議会選挙でも民主党は負けて、共和党が「上院」「下院」ともに過半数になり「トリプルレッド」となりそうだが、もうやりたいことは何でもできることになるのか。 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: 結論としてはそうなる。トランプ氏は第1期目で、政権内で足を引っ張る人がたくさんいたのでできなかったと。これを残り4年間で貫通するということになると思う。やはりトランプ氏は熱狂的なファンがいるのでよく言われる「レームダック(任期中だが影響力を失った政治家)」に必ずしもならないのではないかと思う。その求心力を持ってきて、いろんな論争不要の政策もやっていくと思う。 次は、今打ち出しているトランプ政権の経済政策の公約の内容を見てみる。まず税金では、所得税などの「トランプ減税恒久化」、そして法人税は15%への引き下げとなっている。またエネルギーでは国内の石油や天然ガスを増産し、コスト削減。そして関税を中国に60%、他の国には10%から20%を課すなどとしている。 ――かなりの政策だ。 慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏: 今回は相当な関税率を引き上げる。これは間違いなくインフレにする。その効果が出てきたときに、果たして今回トランプ氏を支持した人たち、低所得・中所得者の人たちがどういう反応をするかを見る必要がある。一番そこに注目している。