トランプ氏勝利 市場はトランプトレード進行 ダウ平均株価は史上最高値を更新/FRB 2会合連続で利下げ パウエル議長と関係悪化トランプ氏の「介入」懸念 舵取りに注目【Bizスクエア】
――なぜこんなに民主党が負けたのか。掲げた政策は本当に「浮世離れした贅沢な悩み」なのか。 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: もちろんそれはあると思う。経済面に絞った具体的なわかりやすいメッセージをハリス氏が出せなかったということだと思う。もう一つ感じるのはハリス氏の資質、あるいは力不足を大いに感じている。やはりアメリカ大統領選は一騎打ちになるので、基本的にはアメリカ人は「どちらの人が、自分たちの生活、安全を守ってくれるか」を託せるかどうかで決める。ところがハリス氏の場合は民主党の予備選もやっていない。(ハリス氏が)果たしてどのくらいの人かわからない。選挙直前の世論調査でも3割ぐらいが「わからない」と答えている。一方トランプ氏の場合は1度、4年間やっている。かなり混乱をしたが、それでもとりあえず戦ってくれる。要するにプロレスでどっちが強いかということになってくると思う。その分ハリス氏という「訳のわからない」「正体がまだわからない人」よりは「トランプ氏に賭けたい」ということになる。 ――夏にハリス氏が登場したとき、新生の星が出てきたということで一旦はブームになり、「ハリス氏は本当にどんな人なのか」が見たいと思っていたが、なかなか見えないということがあった。アメリカ人たちはもっとそういうことを感じていたのか。 共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏: ハリス氏の一番の敗因は「自信がなかった」ということだと思う。つまりハリス氏は予備選を戦ってきてないから、「正当な民主党の候補」という確信が心の中にないまま、いろんな情勢でそういうことになってしまった。党内に対してもハリス氏に異論を言う人に対して「何を言ってるのか。私は民主党の予備選を戦って勝ち抜いたんだからあなたにそんなことを言う資格はありませんよ」と強いメッセージは出せなかった。共和党のトランプ氏にしても「私は民主党というアメリカでの半分の人々が支持する政党の正々堂々としたれっきとした代表なのでそんなこと言われる筋合いはありません」ということをハリス氏は言えたのに、強く言えなかった。