意外と知らない「親指シフト」向けキーボードがいまでも高値で取引されている理由
日本語入力に特化したキーボード配列である「親指シフト」。「OASYS」に代表される日本語ワープロの配列として長年親しまれ、一度覚えてしまえば高速でタイピングができるとして、2024年現在でも根強いファンが存在します。 【画像でわかる】若者の半数はスマホを「フリック入力」している? ガラケー世代とスマホの入力方法も全く違う 富士通が長年販売していた親指シフト向けキーボードは2021年に惜しまれつつ販売終了となりましたが、実はいまでもフリマアプリやネットオークションでは、必ずしも状態が良いとは言えない中古キーボードが1万5000円を超える価格帯で取引が積極的に行われています。 親指シフトキーボードが販売終了しても、なお「親指シフトキーボード」を求める方が居続けるのはなぜなのでしょうか。「親指シフト」の人気の理由に迫ります。
親指シフトとは:「親指シフト」向けキーボードは普通のキーボードと何が違う?
親指シフトは前述の通り、日本語入力向けのキーボード配列。富士通の日本語ワープロ「OASYS100」の販売に向け、開発された配列です。
通常のキーボードではローマ字入力が一般的ですが、親指シフトキーボードはその名の通り「親指」を中心にした配列で入力を行います。 まず親指シフトキーボードは文字キー1つにつき2、3個の文字が割り当てられています。そして「左の親指キー」「右の親指キー」と他の文字キーを同時に押すことで、文字キー1つに割り振られたかな2文字を切り替えて入力する方式です。 手がキーボードのホームポジションからあまり動かず、なおかつ打鍵数も少ない入力方式のため作家やエッセイスト、ライターなど文章を書く機会が多い方に愛用されている配列です。 たとえば評論家の勝間和代さんや、脚本家の北川悦吏子さんは親指シフトユーザーとして、有名です。またキングジムのデジタルメモ「ポメラ」の開発者も親指シフトユーザーとして知られており、「ポメラ」には親指シフトモードが実際に搭載されています。
親指シフトモードがデフォルトで搭載されているデバイスはいまや貴重であり、いまでも親指シフトをしたい方にはポメラはおすすめ端末の1つと言えるでしょう。 ■富士通の親指シフトキーボードは2021年に販売終了 富士通は2021年に親指シフト専用のキーボードの販売を終了。そのため「いまから親指シフト入力をしたい」場合、現実的な選択肢は以下のようなものとなるでしょう。 ・中古の親指シフトキーボードを購入する ・親指シフトキーボードを自作する ・ポメラをBluetooth接続して親指シフト入力をする ・専用ソフトをインストールして通常のキーボードの割り当てを変更する なお「ポメラ」及び「通常のキーボード」には、親指シフトキーボードのような左右の親指キーは存在しない点にはご注意ください。中古の親指シフトキーボードは左右の親指キーをいまでも使いたい方から、いまでも強く支持されていると言えるでしょう。