性的行為した男性客の心理を利用か メンズエステ「裏オプション」
メンズエステで「美人局(つつもたせ)」を繰り返し、客から現金を脅し取ったなどとして、警視庁は、従業員ら男女9人を監禁と恐喝の疑いで逮捕した。 捜査関係者によると、今回摘発された店のウェブサイトには「性的サービスは行っておりません」との記載がある一方で、性風俗店として届け出たうえで、ホテルで施術していたという。 警視庁は、性的サービスの提供で店側が摘発されるのを逃れるためだったとみている。店側が110番通報することもあったといい、性的行為をして「逮捕される」「家族や職場にばれる」といった男性側の心理を利用して、恐喝を繰り返していたとみられるという。 ■密室で「暗黙のルール」 風俗営業法に詳しい林本悠希弁護士(大阪弁護士会)によると、メンズエステには明確な定義がない。業界団体もないため、市場規模は不明だが、増加傾向にあるとみられるという。 一般的には風営法上の性風俗店ではないため、可能なサービスはエステなどに限られる。マンションの一室で営業するケースが多く、賃料やホームページ制作料など開業資金は安ければ50万円程度という。性風俗店ではないため、営業禁止地域の適用がなく、学校や図書館などの近くでも営業しているケースがある。 従業員側の女性にとっても、風俗店より入店の精神的ハードルが低い傾向にあるという。 ただ林本弁護士は「実態として、女性と男性客との『裏オプション』などとして性的サービスが行われる場合が多い」と語る。
朝日新聞社