スナック経営の女性殺害、元常連客の被告が起訴内容認める 釧路地裁
スナック経営の女性を殺害し、山林に遺体を遺棄したとして、殺人や死体遺棄などの罪に問われた北海道足寄町の無職志渡典吉被告(59)の裁判員裁判の初公判が9日、釧路地裁(井草健太裁判長)であった。罪状認否で志渡被告は「自分でも詳しく説明できないが、まちがいない」と起訴内容を認めた。 起訴状などによると、志渡被告は昨年11月10日、同町のスナック経営延本真弓さん(当時66)宅の2階寝室で、延本さんの頭をハンマーで数十回殴ったり、首を手で絞めたりして殺害。遺体を町内の山林に車で運び、遺棄したとされる。延本さんのクレジットカードなどを盗んで使用した窃盗や詐欺の罪にも問われている。 志渡被告は任意の取り調べで自供。供述した場所で延本さんとDNA型の一致する血のついた敷きパッドが見つかり、その後、左足の一部が現場周辺で発見された。 志渡被告は店の常連客だったが、金銭に困って約半年店に通っておらず、事件当日になって延本さん宅を訪れたという。 被告人質問では、車を借りようとして口論となり、延本さんがハンマーを持ち出したと主張。「だまらせようと押さえつけた」とした一方、殺害に至った経緯や心情については「覚えていない」と述べた。 事実関係に争いはなく、量刑の判断が争点となる見込み。11日に結審し、判決は13日の予定。(古源盛一)
朝日新聞社