中島健人はなぜ、挑み続けるのか?夢の海外ドラマ『コンコルディア』を経た、エンターテイナーの現在地
「すべてに妥協しないのが、僕の愛」。フェーズ0から1への決意
さまざまな出会いを引き寄せながら、前向きに突き進む中島の新たな道のりは始まったばかり。『コンコルディア』も『しょせん他人事ですから』もGEMNでの活動も、一つひとつ愛を持って言及する姿が印象的だ。 過去のインタビューや歌詞などでもたびたび登場している「愛」という言葉が、活動のなかでひとつのキーワードになっているのではないかと問いかけると、驚いた表情を見せてからニヤリと笑った。 「すごいところ突かれたなと思って(笑)。よくお気づきになられたというか、図星です。いま僕が制作している楽曲のサビの頭の歌詞が『愛』なんですよ。(取材は10月に実施) おっしゃる通り、全部の仕事に対して愛情を持ってやっています。後悔なく、それぞれの現場でしっかりと自分が思い描いたことを形にしたい。それが僕の愛だと思っていて。キタニティ(キタニタツヤ)も『健人さんは未来の自分が充実した姿が見えている。やり切る人だ』って言ってくれたり、ほかの現場でも『愛情があるよね』とか言ってくれたりするんですけど、僕にとってはそれが当たり前なんですよ。 映画、ドラマ、音楽、どれも妥協できないし、適当なのが好きじゃないんです。ブログも毎日更新して8年目を迎えているし、楽曲や振付も自分のエッセンスが入っていないと納得できない。でもそれが自分の愛だと思うし、人のものをそのまま受け取ってやるというのも苦手で」 妥協できないからすべてを一人でやるのではなく、妥協できないからこそ多くの人からの助けを得ながらビジョンの実現を目指していくのが中島流の「愛」の持ちかたなのだろう。その愛は、仕事仲間にも注がれている。 「妥協する人生ができない分、マネージャーさんやチームだったり、周りの方に支えてもらっています。『コンコルディア』のときも共演者に支えてもらっていたし、みんながいるなかでの自分であるというのはすごく感じています。その恩返しに愛って必要ですよね。僕はそこに帰結する。愛を表現する理由はそういうことです」 自分について「周囲の評価は気になるし、承認欲求の塊」だとも語っていた中島。最後に今後に向けた決意を明かしてくれた。 「僕のいままでがフェーズ0だとすれば、次はフェーズ1なんです。自分がいま思っていること、自分から地続きで出てきた言葉やメロディー、表現を形にして世間に届けていく。それはフェーズ0の僕がやってこなかったことなので、フェーズ1ではまずそれを大きく爆発させます」
インタビュー by 野中愛 / 構成・テキスト by 後藤美波 / 撮影 by 池野詩