多くの人が「卵はひとつのカゴに盛るな」の意味を勘違いしていた…「この資産は必ず守るべき」と思うあなたが必ずすべきこと
◆平常心を保つこと 伝統的な投資対象には、預金、積立、不動産、株、債券、実物資産などがある。 このうちひとつの市場のなかであれこれ商品を買って「卵を多くのカゴに分散させた」と思うのは危険だ。 よいポートフォリオは、投資者の「平常心」を維持してくれる。 ポートフォリオ理論でノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツ(Harry Markowitz)は、平常心を保つことが投資成功の最も重要なカギだと言う。彼もまた、債券と株式に50対50で分散投資したそうだ。 経済学者メイア・スタットマン(Meir Statman)の調査によれば、十数種の銘柄から成るポートフォリオは、突発的な危険を84%まで回避できるという。
◆ぜんぶを棚の上に載せてはいけない 私も株式を十数種の銘柄に分散し、さらに債券、預金、不動産等に資産を振り分けた。卵をいくつかのカゴに入れたうえで、さらにそれを食卓、棚、冷蔵庫、机などに分けて置いたのだ。 もちろん分散もやり過ぎると利益も分散してしまうので、各市場についても勉強が必要だ。私は資産を増やそうと思うときは集中的に投資し、資産が資産を生むときは分散投資の原則を守る。 すなわち、攻撃手として繰り出す資産は攻撃的に一点集中型の投資をおこない、守備側として守るべき資産は広く分散させる。この資産は必ず守るべきだと思うなら、ぜんぶを棚の上に載せてはいけない。 ゆっくり、しっかり、失うことなく稼ぐのが、いちばん多く稼ぐ方法だ。 ※本稿は、『お金は君を見ている 最高峰のお金持ちが語る75の小さな秘密』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
キム・スンホ,吉川南