SDGsの取り組み 7割の企業が「前向き」 企業規模で目標設定に差、イメージアップ目的も
産業別 取り組みは金融・保険業が62.2%でトップ
Q1のSDGsの取り組み状況を産業別で分析した。 SDGsに「取り組んでいる」との回答が最も高かったのは、金融・保険業の62.2%(45社中、28社)だった。次いで農・林・漁・鉱業の47.3%(38社中、18社)、製造業の45.8%(1,444社中、662社)が続く。 金融や保険業ではSDGs債の発行など、他業種よりもビジネスにつながっているほか、企業イメージのアップが影響しているようだ。一方、「取り組む予定はない」との回答が最も高かったのは情報通信業で25.9%(277社中、72社)だった。次いで、不動産業の25.4%(114社中、29社)、卸売業の23.6%(1,131社中、268社)が続く。
Q2. SDGsの17目標のうち、現在力を入れている(力を入れようとしている)項目は何ですか?(複数回答)
◇目標8.「働きがいも経済成長も」が最多に SDGsの17目標のうち、回答が最も多かったのは、8.「働きがいも経済成長も」で54.0%(3,457社中、1,867社)と半数を超えた。次いで、12.「つくる責任、つかう責任」が42.6%(1,474社)、7.「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」が38.8%(1,344社)と続く。上位は企業活動との親和性が比較的高い項目が並んだ。 規模別では、13.「気候変動に具体的な対策を」は大企業が35.7%(450社中、161社)に対して、中小企業が25.9%(3,007社中、780社)で9.8ポイントの差がついた。また、7.「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」も大企業が46.6%(210社)に対し、中小企業は37.7%(1,134社)で、大企業が8.9ポイント上回り、スケールの大きい項目では大企業と中小企業の意識に差が開いた。
Q3.SDGsに取り組む意義は何ですか?(複数回答)
◇企業イメージの向上が71.9%でトップに SDGsに取り組む意義について、最多は「企業イメージの向上」の71.9%(3,331社中、2,398社)だった。次いで、「従業員のモチベーションの向上」が51.7%(1,724社)、経営方針の明確化45.8%(1,527社)と続く。 規模別では、「採用活動におけるプラスの効果」が大企業の39.6%(431社中、171社)に対し、中小企業は26.3%(2,900社中、765社)にとどまり、大企業が中小企業を13.3ポイント上回った。SDGsの取り組みのアピールで、企業イメージを向上させて人材確保につなげたい意図も見える。 一方、「補助金や助成金の採択増加」は、大企業が4.1%(18社)、中小企業が11.0%(320社)だった。また、「金融機関からの融資の際の優遇や債券の発行支援」は大企業5.5%(24社)、中小企業7.7%(226社)で、それぞれ中小企業が大企業を上回った。大企業は人材確保への期待、中小企業は金融面の支援への期待が強く、規模により特徴が出た格好だ。