27日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場（気配値）は、政府・日銀による為替介入への警戒感が重しとなり、1ドル＝160円台半ばで伸び悩んでいる。午後3時現在は、160円41～42銭と前日（午後5時、159円89～90銭）比52銭のドル高・円安。 　ドル円は早朝、前日の海外市場で買われた流れを受け、160円70銭付近で取引された。午前9時前後に緩んだものの、仲値にかけて実需筋の買いで160円70銭台に浮上。もっとも、その後は介入警戒感から戻り売りが出て、正午前後は160円40銭台に伸び悩んだ。午後も売られがちとなり、160円30～40銭前後へとやや水準を下げている。 　前日の海外市場では、新規の買い材料は浮上しなかったが、日米金利差が開いた状態であることを意識した買いが強まった。米国時間の中盤以降は、投機的な買いも加わり、160円80銭台と1986年12月以来、約38年ぶりの高値を付けた。 　東京時間に入ってからは「前日の海外時間に上昇ピッチが速かった反動もあり、調整的な戻り売りがやや優勢になった」（為替ブローカー）と指摘されている。通貨当局からは「必要に応じて必要な対応を取っていく」（鈴木財務相）などのけん制発言が出ており、「発言への敏感な反応は見られないものの、いつ介入が入ってもおかしくはないため、いったん手じまい売りを出す向きもあるのではないか」（大手邦銀）との声が聞かれる。 　ユーロは午後に入って対円、対ドルで小動き。午後3時現在は、1ユーロ＝171円54～56銭（前日午後5時、170円98～99銭）、対ドルでは1．0695～0695ドル（同1．0693～0694ドル）。