公立の男子校・女子校は共学にすべきか? ジェンダー平等か伝統か、埼玉で巻き起こった議論の決着は―
県教委側は、共学にも別学にもそれぞれ意義があることは把握しているとした上で、少子化を大きな理由の一つとして挙げ「別学校、共学校という選択肢以上に、農業や工業、福祉など学びの選択肢を確保できることが大切だと思っている」と説明した。 ▽専門家はどう見るか 今回の議論を専門家はどのようにみているのだろうか。 女子栄養大の橋本紀子名誉教授(教育学)は、埼玉県教委の結論の曖昧さをこう批判する。「共学化の時期や手順が全く明示されておらず、不十分だ」 その上で、今後のプロセスについて次のように話した。「共学化の教育効果については長期的な検証が求められ、生徒たちがどのような場面で性差を感じるのかを丁寧に聞き取ることが重要。県教委は学校が公費で運営されていることを踏まえ、今後は有識者を交えた委員会を立ち上げるなどして、男女共同参画社会実現に必要な教育について具体的な検討を進めてほしい」 また、昭和女子大の友野清文特別招聘研究員(教育史)は「少子化で高校の統廃合が進めば、ジェンダーの議論とは関係なく共学化が進む。大切なのは別学か共学かの選択より、男女共同参画やジェンダー平等実現のための教育内容の在り方であり、今回の問題を契機として真剣に議論すべきだ」と話した。
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