山梨学院高、教員が「全国大会支援部」 活躍めざましい部活を応援
第95回記念選抜高校野球大会に出場する山梨学院高には、教員で作る「全国大会支援部」がある。今回が3大会連続の甲子園となる野球部だけでなく、駅伝やサッカーなど全国大会での連続出場を重ねる強豪がそろう学校ならではの組織だ。ライバル校が聞けばうらやむような名前だが、どんな活動をしているのか――。 「3月10日に組み合わせが決まると同時に、やるべきことが分かります」。主任として支援部をまとめる鳥居英之教諭(49)が見せてくれたのが、上半分に組み合わせ表が記載されたA3判のシートだ。くじ引きが終わった時点で完成するが、シートが示すのは組み合わせだけではない。下半分には、試合日程によって変わる応援組の集合時間、バスの出発時間、学校帰着時間の一覧表が示されている。表下には、応援時に必要な「持ち物」として、帽子やメガホン、雨がっぱ、保険証、洗面用具などが記載されている。 鳥居教諭は「初出場なら試合日程が決まったとたん準備に追われても仕方ないが、我々は『常連校』の域に入っている。どんな日程でも落ち着いて準備できるようにと作ったのがこのシート」と万全の備えを強調する。 同校では部活動の応援は、学校行事の一つと位置付け、生徒会が担ってきた。ただ、高校駅伝では男子は12年連続、女子も14年連続で、サッカーも3年連続で全国大会に進出。野球も昨年の春、夏、そして今回と3大会連続甲子園と、全国での活躍がめざましい。生徒会で多くの学校行事との調整を図るのがままならない状況になったため、関東大会以上の大会に出場する部活動の応援を担う「全国大会支援部」を2022年4月に発足させた。 支援部は、生徒会の顧問を10年ほど務めてきた鳥居さんをトップに5人の教諭からなる。大会主催者との折衝やPTA、保護者会や後援会への連絡、バスや宿泊先の手配などのほか、選手壮行会の開催も業務だ。大応援団を率いての甲子園での業務が最も多いという。 鳥居教諭は「この3年間はコロナ禍で応援の制限が多かった。今は応援委員会の活動も途切れている。将来は支援部が指導して復活させ、甲子園で整然とした応援を披露していきたい」と意気込んでいる。【照山哲史】