東大生100人に聞いた「親がしてくれたメンタル不調の対策と効果」
同様の理由で、日中もカーテンを閉めて部屋を暗くするのも良くない。メンタルが落ち込むと、カーテンを閉めて部屋を暗くしたがる子供もいるが、それはなるべく避けた方が良い。メンタルが不調な時こそ、とにかく朝は「おはよう!」と起こしに行き、ベッドから出てこなくても、まずはカーテンを開けて部屋に日光を入れると良い。
子供がカーテンを閉め切っている場合には、洗濯物を片付けたり、飲み物を持って行ったりするなど、何かと理由をつけて部屋に入り、出ていく時にカーテンを開けて部屋を明るくしたままで出ていくようにする。これだけでも、メンタル不調が改善するきっかけになるはずだ。
やる気スイッチはどこにあるのか?
逆に夜の時間はあえて部屋を暗くする。夜間にブルーライトなど明るい光を浴びると、脳が昼間だと勘違いし、メラトニンの分泌が抑えられてしまう。そうなると、体内時計が後ろにずれてなかなか眠れず、朝起きられないという悪循環に陥りがちだ。子供がもし遅くまで起きていたら、「大丈夫?」と声を掛けたり、こうした体の仕組みを説明してみたりするのも良いだろう。
もうひとつ、生活リズムを整えるために重要なのは、朝ごはんだ。子供によってはメンタルが不調だと、いつまでも布団から出られず、「朝ごはんはいらない」と言ってくる。しかし、ここは多少無理してでも、朝ごはんは食べさせた方が良い。なぜなら朝ごはんは、食べることで眠っていた身体が覚醒して内臓が動き出し、体温が上昇し、代謝もあがるからだ。また、脳のエネルギーはブドウ糖からできているが、朝ごはんを食べないということはブドウ糖を断つことと同じだ。つまり、一向に頭が働かず、集中力が持続しないのでいつまでたってもやる気が出ない。朝ごはんは、人間にとって大切なやる気スイッチなのだ。
東大生の親が実践した不安や悩みへの積極的な寄り添い方
もっと積極的なメンタル回復方法を実践している家庭もあった。それは、「一度、悩んでいることをすべて思い浮かべてもらう」というものだ。たとえば東大生の親の中には、子供が悩んだり辛い思いをしたりしている時、紙とペンを用意して、「今、あなたが不安に思っていること、負担だと考えていることを全部ここに書いてみよう」と声をかける事例もあった。