【演説全文訳】カマラ・ハリス、米大統領選の敗北後に発した希望のメッセージ「絶対にあきらめないで」
カマラ・ハリス副大統領は、米大統領選が明けた2024年11月6日(現地時間)、悲嘆にくれる支持者たちと分断された国家に対し、原点に立ち返ることを誓った。ドナルド・トランプが2024年大統領選挙の勝者となった12時間後、ハリスは出身校であるハワード大学の檀上にいた。ワシントンDCにあるハワード大学は、伝統を持つ歴史的黒人大学の名門校である。ここで彼女は史上初の女性副大統領になるための基礎を培ったのだ。 【写真】スーツ姿だけじゃない。カマラ・ハリスの歴代ベストファッション15 濃い紫色のスーツをまとい、今や彼女のシグネチャーとなったパールのイヤリングを身につけたハリスが、聴衆に向かって演説を始める。敗北の結果、全米に広がった失望と恐怖を癒(いや)すかのように、彼女の口調は明確で慈愛に満ちていた。
「今日は胸がいっぱいです。皆さんが私を信頼してくださったことへの感謝、祖国への愛、そして決意で胸がいっぱいです。今回の選挙結果は、私たちが望んだものでも、勝ち取ったものでも、投票に託したものでもありませんでした。ですが、これだけは覚えておいてください。私たちが決して諦めない限り、そして闘い続ける限り、アメリカの未来を照らす光は消えることなく、明るく燃え続けるのです」と、ハリスは切り出す。 そして家族と、副大統領として4年近くを共にしてきたジョー・バイデン大統領に対する感謝の念を語った。バイデンが大統領選挙からの撤退を決めた7月、ハリスが民主党候補となる道が開かれたのである。
「私たちがともに闘った選挙戦に、そしてその選挙戦に私たちがどう挑んだかを、私は誇りに感じています」と、ハリスは語り掛ける。「私たちの誰もが、私たちを隔てる分断よりも、はるかに多くの思いを共有していることを自覚しながら、選挙戦に挑んだのです。いま、皆さんはさまざまな思いを胸に抱きながら、それを噛み締めているのだと思います──お気持ちはよく分かります。しかし、私たちはこの選挙結果をまず受け入れなければなりません」と、ハリスのスピーチは続く。