「私は年をとっていますし、太ってもいます」『トップガン マーヴェリック』にはなぜ、ケリー・マクギリス(67)は出演していないのか
1986年に公開された前作『トップガン』では、トム・クルーズ扮する主役のピート・“マーヴェリック”・ミッチェルが一目ぼれするほどの魅力を持つヒロイン、新任の民間人専門技術(宇宙航空物理学)教官シャーロット・“チャーリー”・ブラックウッド役にはケリー・マクギリスが起用されていました。 【写真24枚】トムクルーズ、19歳の爽やか美青年から渋いイケオジになってゆく姿 『トップガン マーヴェリック』ですが、そのケリー・マクギリスはトム・クルーズと一緒に戦闘機パイロット学校に戻ることはありません。ジョセフ・コシンスキー監督による続編作のプランには、そもそも彼女の存在もありませんでした。そこで、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーから起用のオファーがなかった理由に関して、ケリー・マクギリス自身はこう理解しているようです。 「私は年をとっていますし、太ってもいます。年相応に見えるからですよ」と、当時67歳であった彼女はウェブメディア「ET」の電話取材で応えています。 前作であるトニー・スコット監督作品では、マーヴェリックは民間人専門技術(宇宙航空物理学)教官とは知らずにチャーリーに一目ぼれし、いつの日か2人は立場を超えて恋愛関係に発展していきます。しかし、マーヴェリックはある事故により、訓練もままならないほど意気消沈。すっかり自信を失ったマーヴェリックは、このままトップガンはおろかアメリカ海軍自体も辞めようかと思い悩みます。そうした中、チャーリーはワシントンD.C.へ栄転。そうして2人はすれ違っていくのでした…。 『トップガン』は、トム・クルーズのキャリアを大きく前進させた大ヒット作となりました。ですがケリー・マクギリスにとっては、キャリアのピークとなった作品と言っていいかもしれません。 1986年に『トップガン』のポスターが公開されたとき、ケリー・マクギリスの名前と姿はトム・クルーズと同じくらい、いやそれ以上に大きな注目を集めていました。彼女は1980年代に映画デビューしてすぐに、『刑事ジョン・ブック 目撃者』のようなヒット作に出演していたからです。しかしケリー・マクギリスは、『トップガン』の興行成績でキャリアを固めると思いきや、1990年代からは徐々にヒット作と呼ばれる作品も少なくなり、その後2000年代に入ってからは、テレビ出演と脇役としての出演を交互に繰り返し、やがて映画界から遠のいていきました。何があったのでしょうか? 前述のウェブメディア「ET」によれば、現在2人の娘とノースカロライナ州で暮らす彼女はこの話題について、「自分がいったい何者であるか? を発見する旅に出ている」と語っています。 「自分の仕事とは別に、自分らしさや本当の意味での自己価値を持つことは、私にとって大きな挑戦でした」と、彼女は認めます。さらに、「そして今は単純に、仕事よりも、娘たちを育て、最高の母親になることのほうが優先となったのです」と続けます。 1989年、ケリー・マクギリスはヨット販売業者のフレッド・ティルマンと結婚し、娘たちをもうけました。が、2002年に離婚しています。数年後の2009年には、同性愛であることを公表し、思春期に対峙した困難や自身の体格の問題などを語っています。2010年には、販売会社役員であるメラニー・レイスと結婚しましたが、その後しばらくして2012年には別居しています。 そして現在のケリー・マクギリスは、『トップガン』でチャーリー役を演じた頃の姿と近年ではかなり頻繁に比較されていますが、本人は「自分のシワや今の生活に誇りを持っている」と語っています。 結局、『トップガン マーヴェリック』のプロデューサーは、ジェニファー・コネリー(51歳)と契約し、トム・クルーズ(59歳)の新しい恋人役を務めています。このことについて質問を受けたケリー・マクギリスは、ジェニファー・コネリーのことを「素晴らしい俳優」と敬意を表しながら、その出演を喜んでいます。「この映画をご覧になれば、彼女がこの役にぴったりな理由がおわかりになるでしょう…」と。
Source / ESQUIRE ES