西武D1位・武内夏暉がデビューから3連勝 〝松坂超え〟の5戦連続クオリティー・スタートも
(パ・リーグ、西武2―1楽天、8回戦、4勝4敗、11日、ベルーナD)西武のドラフト1位・武内夏暉(なつき)投手(22)=国学院大=が7回7安打1失点と好投。球団の新人では1981年の杉本正氏以来43年ぶりに、デビューから全て先発で3連勝を飾った。初登板から5戦連続でクオリティー・スタート(QS、先発で6回以上、自責点3以下)を達成。球団では1999年の松坂大輔の4試合を抜いて最多となった。 1点リードの七回に最大のピンチが訪れた。武内は1死から小郷に三塁打を浴び、一打同点の場面。スクイズを試みた村林が空振りし、スタートを切っていた三塁走者をアウトに。武内は村林を三ゴロに仕留めると、クルっと回転して小さくガッツポーズを作った。 「(スクイズ失敗は)運が良かった。(事前に)マウンドに集まったときに(周りに)『警戒はしとけよ』と言われた」 相手は、10日に13点を奪った楽天打線。三回以降は毎回得点圏に走者を背負ったものの「焦っても自分のペースが乱れるだけなので」と動じず、持ち前の速球を軸に攻めた。7回7安打1失点と踏ん張ってデビューから3連勝。4連敗中だったチームの重苦しい空気を吹き払った。 新人左腕は試合をつくる能力の指標で西武OBの松坂大輔を超えた。開幕から5試合連続でクオリティー・スタート(先発で6回以上、自責点3以下)をマーク。横浜高から入団1年目の1999年、4試合連続でマークした松坂を上回った。 国学院大からプロ入りした武内は「松坂さんは高卒で、ですよね? 考えられない」と謙遜したものの、全てで7回以上を投げ防御率1・50。「投げていくうちにだんだん体力もついてきている」と自信が増している。 お立ち台にはプロ初打席で左前打を放ったドラフト6位・村田(皇学館大)とともに上がり「一試合一試合、勝利を目指して投げていきたい」と決意も新た。最下位に沈む西武で、ドラフト1位ルーキーが獅子奮迅の投球を続けている。(石井孝尚) ■武内 夏暉(たけうち・なつき) 2001(平成13)年7月21日生まれ、22歳。福岡県出身。八幡南高では県大会4回戦が最高成績だった。国学院大2年秋に東都大学リーグ1部の試合に初登板。3年秋にエースとしてリーグ優勝に導き、MVPを獲得した。今季ドラフト1位で西武入団。186センチ、90キロ。左投げ左打ち。年俸1600万円。背番号21。