デビュー40周年・斉藤由貴 スナックのママ役を演じる彼女が影響を受けた、樹木希林さんの一言【あのクズを殴ってやりたいんだ】
■自分の年齢を的確に表現できる人でいたい ──演じていて特に楽しいシーンはありますか。 スナックで歌うシーンはとても楽しいです。いま、80~90年代の曲が“シティポップ”といわれて、若い世代が興味をもってくれてるんですよね? 私はあまり詳しくはないんですが、そういうムーブメントが日本だけじゃなく世界にも広がっているとマネージャーから聞いたんです。私が明美さんとして歌っているのは、その時代その時代ですごくヒットした曲ばかり。それを歌えるのはとても楽しい経験でした。自分の曲を歌う機会も、いま風に言えば「ワンチャンあるかな?」と思っています(笑)。 ──ママのチャーミングさは斉藤さんが演じられてこそだと思いますが、若々しさやかわいらしさを保つ秘訣を教えてください。 自分が緩むとお客さんにダイレクトに伝わってしまうんですね。俳優として気を抜かないように、まず正直に言うと、太らないように気をつけてはいます。年齢的にも体質的にもわりと太りやすいので、好きなごはんやアイスクリームを我慢することもあります(笑)。それと、明るい色の服を着ること。たとえば海外の女性って、年齢を重ねると赤やピンクの服を着るんですよね。もちろんやり過ぎて不自然になってしまうのもよくないので、さじ加減が難しいんですけど、「私はもう年だから派手なものは着れないわ」とは思わず、自分を上手に表現できる人でありたいなとは思っています。 ──個人的に影響を受けた方はいらっしゃいますか。 昔、朝ドラ(1986年放送NHK連続テレビ小説『はね駒』)に出演したときに、私のお母さん役が樹木希林さんだったんです。ある日リハーサルのとき、希林さんがアンティークのジャケットを着ていらして。そのジャケットの背中に大きな丸いシミがあることにビックリして、「希林さん、そのジャケット、背中にシミがありますね」って言ったんです。そうしたら希林さんは「そうなのよ。だから買ったの。かわいいでしょ?」っておっしゃった。そのときすごくハッとして、「こういうところが素敵なんだ」と思ったんです。シミがあるからダメじゃなく、これがいいと思う自分を信じて堂々と着る。この出来事は、いまでも自分にとっての一つの指針になっています。希林さんにはこういう個性的なエピソードがたくさんあるからこそ、いまでも伝説になっているのかな。そこまでいったら勝ちだなって思うんですよ。